太陽光発電協会の新春交流会に見る2020年の太陽光発電業界予測
1月28日に虎ノ門で開催された、一般社団法人太陽光発電協会(JPEA)の新春交流会に、太陽光発電事業者連盟(ASPEn)として来賓のお招きをいただいて参加してきました。
下の写真は、JPEA理事であり株式会社エクソル代表の鈴木さん(中央)との一枚。業界重鎮が集まる会合で、自分が来賓の名札をつけているのはちょっと不思議な気分でした。
さて、太陽光発電業界の集まりにいくと、私は当然ながらソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)のお話で声をかけられまくります。この新春交流会でも、業界関係者からメディアから経産省から皆さんとその話を繰り返し繰り返し。
「低圧の全量FITが残って良かったね」「これからはソーラーシェアリングの時代だね」といった励ましをいただきつつ、しかしながら現状は国内だと太陽光発電の一ジャンルでしかないソーラーシェアリングは、再生可能エネルギー政策における太陽光発電への措置の影響をもろに受けます。
来賓挨拶に立たれた、自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟の柴山会長のお話でも、ソーラーシェアリングに触れていただけたのは隔世の感があります。しかし、まだまだ太陽光発電全体から見れば導入量の1%程度なので、よほどの個別の政策支援がなければ全体の市場動向の影響が大きくなります。
JPEAの菅原代表理事の挨拶では、2050年に300GWの太陽光発電導入というJPEAとしての目標に言及がありました。その数字が妥当かどうかは別として、これから30年間に250GWを増やすという目標で、JPEAの運営に携わる国内の太陽電池メーカー各社がどれだけのシェアを取り、貢献していくのかを示されなかったのは残念です。
来年度は、低圧野立てがほぼ排除されるFIT制度の中で、国内の太陽光発電市場は中期的に縮小し建設コストは上昇傾向になるでしょう。「市場拡大なきコスト削減」という経済産業省の政策方針の下では、世界的に拡大し続ける太陽光発電市場の中で、日本だけが取り残される未来しか見えません。
打開する道はもちろん準備していますが、2000年代の国内太陽電池産業の凋落と同じ失敗を政治が繰り返していく様を見ることになるのは、エネルギー政策の専門家として何とも言えない気分です。
そんな業界模様を悲観することなく、来年はASPEnとして新春交流会・賀詞交換会を開けるように頑張ります。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?