32歳からの海外移住生活
はじめに
学生の頃から世界地図を見るのが好きでした。大人になった今も。
地図のサイズにもよりますが、親指で隠れてしまうサイズの日本。そして果てしなく広がっている世界、無数に存在する国々。
日本に生まれて大半の日本人は一生を日本国内で過ごすと思います。
しかし、私はかつてから世界地図を眺める度にこの小さな場所(世界地図上での話です)で一生を過ごすのはもったいないなと思っていました。
日本以外の国に住むことは自由なのに。
でも大学を出て就職したら海外に移住するなんて非現実的だし、到底叶えることは出来ないことだろうとも思っていました。
そうすると現実的な夢として定年退職したらいつか海外移住してみたいなと、そのように思っていました。
そんな私が30代前半の会社員生活真っ只中に海外移住を決断し、会社を辞めてカナダに移り住んだのです。
ふと振り返ってみると、カナダでの生活が既に10年以上経過しておりました。自分自身のこれまでを振り返る意味でも、またこれを興味深く読んでくださったり、何かの参考にしてくださる方がおられれば嬉しいなと思い、筆をとってみました。
初めての海外旅行
そもそも私が海外に興味を持つきっかけになったのは、家族全員で行った海外旅行でした。オーストリアへのツアー旅行です。(オーストラリアではなくヨーロッパのオーストリアです)
私の父はサラリーマンで、大学を卒業し就職してから一つの会社で定年近くまで働き通しました。
そんな父が勤続30年目の節目の年に会社から長期休暇をもらったとのことで、家族で海外旅行でもしようということになりました。ちょうど末っ子である私も大学受験が無事に終わり、今後なかなか家族揃って旅行する機会も少ないだろうとのことで家族全員で少しづつ計画を立てていったことを覚えています。
とはいえ私自身はこれまで海外には行ったことがなく、どこに行きたいかと問われてもどこでもいい、任せるよといった程度の回答しか出来ませんでした。
そして最終的に目的地はオーストリアのウィーン、ザルツブルグに決まりました。私の家族がクラシック音楽が好きで、クラシック音楽にゆかりのある土地ということで決まったみたいです。映画「サウンドオブミュージック」の舞台になった場所です。
私は特に賛成でも反対でもなく、ただただ初めての海外旅行に行ってみたいという気持ちでした。公用語すら全く知らず、ドイツ語圏であるということは後ほど知りました。
ツアー旅行で効率よく名所を回る旅行だったのですが、全てが初めての体験でとても感銘を受けた楽しい旅行でした。
そして帰国した後も、また海外、知らない土地に行ってみたいと思うようになったのです。せっかくならドイツ語を勉強して、今度は本場のドイツに行きたいなと。
大学在学時〜会社員時代
その後大学在学中にドイツへは3度、その際周辺国のスイス、リヒテンシュタイン(小さな国ですが訪問国にカウントします)、そして友人と香港へ行ったりスキューバダイビングをしにフィリピンのセブ島へ行ったりしたのが私の海外旅行歴となります。
その後就職するわけですが、前述した通り私の父は一つの会社で定年近くまで働いておりました。そんな父を見て育っておりますので、私も就職した会社で定年まで働くことが当たり前だと思っておりました。
就職した会社には給与面、休暇面等特に不満もありませんでした。夏に長期の休みが取れる会社でしたので、旅行が好きな私にとってはとても理想的な会社でした。ただ、4年目、5年目になると夏が来るたびに何か新しいことに取り組んでみようなんて思っていたものです。
その頃よくはまっていたのがNHKラジオの英語講座です。書店で8月号のテキストを買ってきて、ラジオ放送を録音して聞きながら勉強していました。
15分ほどの放送ですが自分なりに掘り下げていけば学ぶべきことが豊富で、また平日の毎日放送があるのが楽しくて、学生時代に戻ったかのように辞書とノートと蛍光ペンを用意し、知らない単語をノートにまとめたりもしていました。
そんな大好きな英語講座による勉強も、夏休みが明けて会社が始まると時間が取れなくなります。もっと自分自身の勉強に時間を取りたいなと年々思うようになっていたのを今でも覚えております。
さて会社、つまり組織の中におりますと、入社当時は自分の仕事に集中していたのが年を追うごとに出来なくなっていくものです。
後輩が出来てその指導役になって面倒をみたり、また会議に呼ばれたり。その会議の後に宴会のようなものがあったり。
ストレスのある環境に置かれることもしばしばあります。
私もそのような状況に身を置く機会が増えておりました。
結婚〜退職
そんな折、私は結婚しました。新婚旅行では夫婦で海外へ行きました。
個人旅行ではなく新婚旅行ですので、一流のツアー会社で旅を予約しました。この新婚旅行での体験が、私の海外移住への気持ちに拍車をかけたといっても過言ではありません。
新婚旅行明けの会社での日々、そして海外移住を決断するまでをまたの機会に綴りたいと思っています。
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