#009 地産地消!『国産小麦』で美味しいパンを作りたい! 第8話
■第8話 農地探し! その③農地選びのポイント
こんにちは、GreenLushです。
国産小麦の自給率向上と普及を目指して『自分自身で作る!』という目標を掲げ日々奮闘しています。
農地探しに関するコラムですが、前回は農業委員会の農地台帳を見て、貸したい農地(売りたい農地)が意外と少ない事に驚いたという内容を紹介しました。
その後、何とか希望に見合う農地を見つけられた為、今回は私なりの農地選びのポイントを紹介したいと思います。
非農家が農地を借りるまでの簡単な流れについては第5話で紹介したので、興味がある方は合わせてご覧ください。
#5 地産地消!『国産小麦』で美味しいパンを作りたい! 第5話|GreenLush official|note
1. 農地台帳上で農地を探す
まずは、自治体の農業委員会に赴き、農地台帳を閲覧します。
その中から何となく自分の希望に見合う条件の農地を探します。
ところが、この農地台帳に記されている地図は普通の平面地図なので一見わかりづらかったりする部分もあります。※自治体によって違うかもしれませんが。
慣れ親しんだ土地や地域であれば何となく立地や周辺状況もイメージしやすいと思いますが、そうゆう場所だけじゃないと思います。
ですので、スマホでGoogleMapを開き、航空写真と照らし合わせながら実写でイメージを膨らませると良いと思います。
おおよその候補地を数か所決めたら、窓口の方に頼めばそのページの台帳のコピーを取ってもらえるはずです。
何ページもコピーを取ってもらう事に少し気が引けますが、なるべく広い範囲で複数枚コピーをもらう事をお勧めします。
なぜかと言うと、候補地を実際に見に行ってみたら大変な状態でとても利用できる状態じゃなかった、なんて事はたくさんあります。
その場合、やっぱり他の場所を探そうと思ったらまた台帳を見にわざわざ農業委員会に赴く必要が出てしまいますよね。
そういう手間を減らす為にも、第二、第三の候補をなるべく広範囲で調べられるようにしておくべきです。
2. 農地の現場確認
台帳のコピーがもらえたら、いざ現場確認へ。
農地はじっくり見た方がいいです。
自分の思い描く条件であるか否かは言うまでもないですが、その他のポイントとしては下記の通りです。
ポイント① 農地の現状
その場所が今現在、どのような状態なのかです。
私が思うに、5段階程度のレベルがあると思います。
Level1 常に管理され、すぐに作付けができるほど綺麗な状態
Level2 ある程度の草刈、代かき程度で作付け可能な状態
Level3 草ボーボーで、ところどころ多少の倒木も目立つ状態
Level4 雑草や樹木が生い茂る状態
Level5 もうまったく手のつけようのない腐海状態
私の所感ですが、残念ながら貸したい(売りたい)農地は大体、Level3~5のパターンが多いです。Level1、2も無くはないですが、相当レアだと思います。
将来的にも、少なくともLevel5の状態にならない為の仕組み作りが大事だと思います。いくら農地の保全管理が大事だとわかっていても、基本的には所有者の意思に反して接収したり、勝手に整備できないですからね。
ただ一方で、『農地法に基づく所有者不明の遊休農地の公示制度』という、所有者がまったく不明になってしまった場合の法律があるそうです。
簡単に言うと、所有者不明の農地に対して公示を行い、一定期間所有権利者からの申し出がない場合、農地中間管理機構経由で担い手と利用権が締結できる、という内容です。
↓↓↓事例について、農林水産省のリンクを張っておきます↓↓↓
index-8.pdf (maff.go.jp)
さて、ちなみにLevel3~5の状態はいわゆる荒廃農地と呼ばれます。
借りたい農地(買いたい農地)がどれも綺麗な状態ばかりではないというのは先述の通りですが、Level3~5の状態である、いわゆる荒廃農地を整備するのは大変だと思いますよね?
草を刈り、朽ち木を伐採し、根っこを抜根し、土壌を整備する・・・
時間も費用もそれなりにかかりそうです・・・
そこで我々の味方となるのが、公的補助金です。
各自治体で多少呼び名が異なる可能性がありますが、農林水産省の呼称は『荒廃農地等利活用促進交付金』と言います。
これについてはまた後日詳しく解説しますが、簡単に言うと、貸し手と借り手双方にお金がもらえる制度です。
この補助金をもらい、場合によっては追加費用を捻出してまでも得た農地で、自分のやりたい農業が実現できるか、というポイントで判断すると良いと思います。
ポイント② 周辺の農地の作付け環境
自分が借りようとしている農地の周辺はどのような作物が作付けされているでしょうか?
そして、自分が作付けしようとしている作物は何になるでしょうか?
基本、作付け品目は自由ですが、あまりにも周囲の状況とかけ離れた作付けをすると様々な弊害や支障がある可能性もあります。具体的には農薬や肥料、害獣等です。周囲の農家さんとのトラブルも避けるため、このあたりも考えて判断する必要があると思います。お互いの為ですね。
ポイント③ 住宅との距離感(将来の発展性も含めて)
自分が借りようとしている農地の周辺には一般住宅があるでしょうか?
ポイント③とも共通しますが、農薬散布、肥料の匂い、草刈り、重機等の騒音、あらかじめ配慮する必要があるか判断が必要だと思います。そして、将来的にもその場所、周辺がどのように発展、開発されるだろうか、という想定も必要だと思います。
ポイント④ 水関係
作物の栽培には水が必要不可欠ですよね。水路が近いか?スプリンクラーが通っているか?等、よくよく見ておく必要があります。
ポイント⑤ 日当たり関係
もちろん、作物の栽培には日光も必要不可欠です。遮蔽物はないか、日照時間がどの程度見込まれるか等、このあたりも十分考慮する必要があります。
農地の見つけ方について、以上のようなポイントで見て評価することをお勧めします。
ちなみに、私自身も上記のようなポイントを意識しながら農地を探し、当初思い描いた理想的な農地を見つけ、先日実際に利用権設定を締結しました!
ただ、荒廃農地なので整備から始めなくてはなりませんが、一歩ずつ、小麦栽培への道を進んでいる実感があります。
次回は利用権設定の締結の話をしたいと思います。
また今後は農地の整備の様子も順次公開していきたと思います。
今日はここまでです。
最後までお読み下さりありがとうございました。
続く・・・