僕が旅に出る理由~ハイウェイ③~
そして始まった背水の陣からの志望校選び、つくづく自分の危機感のなさに愕然としました。
大学は選ばなければたくさんあります。
中には名前さえ書ければ入れる大学も有るといいます。
じゃあ自分も大学生になれる。
そんな最低のラインから自己を見つめることにしたのは、浪人した春でした。
自分は勉強もできないし優秀でもないんだ、と自分を受け入れるのには時間がかかりましたが、同時に、まだ何もやってないのではないか、という思いも湧いてきました。
勉強した気になっていただけ、時間を費やしていただけで、実は勉強はしていなかったことに気づいたのです。
浪人してからようやくそのことに気づく頭の悪さ、つくづく自分が嫌になりました。
しかし、「くるり」はここでも決して見捨てず、メッセージを届けてくれたのです。
思えば生まれてからずっと東京で生活し、親戚も東京という自分にとって、当然のように大学も都内しか選択肢に上がっていませんでした。
「くるり」は京都出身のバンド。
「京都へおいで」そう言われた気になりました。
同級生への劣等感、新しい自分として、新天地でスタートを切りたい。
そんな願望も後押ししたからかもしれません。
修学旅行で訪れた京都の街並みがフラッシュバックし、くるりと結びついた瞬間でした。
「そうだ、京都の大学へ行こう」
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