見出し画像

「ドキュメンタリー映画」のドキュメント(2)

日本のメディア(映像)の場合は、大体が電話で「取材内容」とか「質問事項」などのやり取りがあります。一度1日密着された経験もありますが、その時は1日のルーティンを話し、買い物に行くスーパーや通っていた保育園での取材許可などを取って(取るのは僕ではありません)日程を決めてからの密着となります。さすがにいきなりこの日にカメラが来て撮ります、なんて言うことは無いわけです。依頼があって取材されて下手すると放送されるまで1週間〜2週間くらいなもんです。

アメリカの取材も基本は同じ……だと軽く思っていたのですが、ここからが多分「テレビと映画の違い」なのかと。先の日本での今までの経験だと「事前やり取り」については本当にサラッと小1時間で終わったし、前回言ったオーストラリアのポッドキャストのインタビューもそんなもんだったので、そうタカをくくってました。

電話で連絡があって、出演を受けた時から矢継ぎ早に来たのが「細かい質問メール」でした。映画のテーマは「父親」と言うことで、それに関する質問が全部で15問もありました(笑)実は、この段階で僕の方は出演をOKしていたつもりでしたが、先方はそうではなかったのです。メールで質問に答えたあとに、先方の監督・プロデューサーと日本のコーディネーター(通訳も兼ねる)の4者でのスカイプによるテレビ電話インタビューがしたいので時間を作って欲しいと要望されました。この点も「さすがに海外への取材だから、念入りにするんだろうな」程度にしか考えておらず、時間を調整しました。テレビ電話インタビューは、通訳も入っているので多少時間がかかりましたが、事前に質問事項ももらっていたので(イレギュラーで突然のクエスチョンもありましたが)概ね友好的な感じで終了しました。余談ですが、このチャットインタビューをコーディネーターの事務所で、僕の前後にインタビューを受けていた方と偶然他のパパ向けイベント会場で話して「横で聞いてたんですが、内容とか監督さんとかとのやり取りとか、楽しそうに話してるなぁ〜と、聞いててスゴく面白かったです!」と褒めて(?)頂きました。

1月末にこのスカイプがあって、2月に入った日にコーディネーターからメールが届きました。
「今朝ニューヨークより連絡があり、是非、佐久間さんに取材、撮影協力を頂きたいとの事でした」
その後に具体的なスケジュールの内容が書いてあったのを読んだ時に初めて「ああ、あのスカイプは実質的には『オーディション』だったのね」と気付きました。のちに聞いたときにも優先順位的には高かったし、お願いしたいと思っていたけど、やはり自分たちの映画の意図に沿うかどうかは話してみなくちゃ分からなかったので、とも話してました。同時期に同じようにオーディションを受けた(あえてこの表現をしますが)他の方はどうだったかは、映画自体を見るまではわかりません。

つづく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?