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「地元のタネを育てて苗を植える森づくりから木工製作まで、自然の循環をつくりたい」佐藤さんの目指すUERUTの未来

今回は、UERUTブランドの本拠地新潟団のスタッフ、佐藤さんをインタビューしました。森のことを語ると止まらない、熱さと想いがこもった記事をぜひご覧ください。

新潟団立ち上げ時から参画している佐藤さん

ーGREEN FORESTERSでの佐藤さんの役割や業務内容を教えてください。
青葉組新潟団の佐藤剛です。私は2022年8月入社し、3年目になります。
私の役割は山主営業と森づくり設計業務そして育苗業務が主になり、現場仕事の下準備などサポート的な役割を担っています。
山主営業では、山林の持ち主に伐採後に植栽・管理をさせて欲しいとお話に行き青葉組の現場として確保していく仕事になります。森づくり設計業務は、目指す森に向けた現場作業設計書をつくる仕事になります。現在は主に植栽現場の設計がメインとなり、事前に現場がどんな環境なのか、周辺にはどんな種類の樹種が生育しているのか調査を行い、伐採後の現場にどの樹種をどこに何本植えるのかを決めていきます。予算やスポンサーの意向に配慮しつつ、確保できる苗木の種類や本数などから作業内容を絞っていきます。そして、最後に育苗業務では、私たちが自分たちで山に植える苗を地元でとれた種を使って生産を行っていきます。
自分たちが目指す森づくりを行うには、苗木がないと始まらない場合が多くあり、色々な山づくりに対応するためにも多種多様な苗づくりにチャレンジしています。
ー育苗作業で地元の種を育てて、それを山に植えるまで見守る、山の作業の始まりから終わりまで、全てに関わっていらっしゃるんですね。

森を訪れた方を案内することもあります

ーGREEN FORESTERSに入社を決めたきっかけや、理由を教えてください。GREEN FORESTERSに入社する前は、新潟団の拠点がある村上市の林業会社で働いていました。主に主伐や間伐の現場設計や管理を担当していいましたが、様々な要因で伐採後の山が放置されており、植栽や育成が難しい状況を目の当たりにしました。本来、林業って伐採→植林→育成→伐採のサイクルで成り立つはずなのに、実際はそうなっていなかったんです。そんな現状を見て、2つの大きな課題を感じていました。1つ目は植林し育てる人が足りないこと、2つ目は森林育成に必要なコストを支える仕組みが整っていないこと。この課題を解決するためには、新しい森林の価値を生み出す必要があるんじゃないかと考えていました。

伐採→植林→育成→伐採のサイクルを回すために植林をする現場

そんなとき、GREEN FORESTERSの活動を紹介する記事を見かけ、自分と同じような課題意識を持ちながら、新しいビジネスモデルで解決に挑んでいこうとする点にすごく共感しました。ビジネスの視点を持った人たちが集まり、林業の慣習にとらわれない柔軟な考え方で全国展開を目指している。その姿勢に可能性を感じ、ここで働くことは自分自身の成長にもつながるんじゃないかと思いました。当時、GREEN FORESTERSの拠点開発計画に新潟は入っていなかったんですが、それでもこの新しい挑戦に参加したいと思い、会社のHPからメッセージを送ったのがきっかけです。

ー現在、新潟団として行っている作業や1年間のお仕事内容を教えてくださ
【3~6月】
雪解けタイミングで春の植栽に向けた地拵えの仕事からスタートします。地拵えは伐採跡地に散らばった枝葉を整理整頓する作業になり、植栽やその後の下刈りなどの管理作業を行いやすくする目的があります。その後5月ごろから植栽が始まります。特に広葉樹については暖かくなり苗が活動を始める前に植えきる必要があるので、時間との闘いになります。

 鍬1本と苗を持って、まっすぐ伸びるよう植えていきます

【6~9月】
暑くなり始めると下刈りシーズンに突入し、植栽した苗が周りの草に覆われ成長不足になることを防ぐために、周辺の草木を刈り取る作業になります。真夏の8月だと猛暑の中の作業になり、年間を通して一番現場仕事がきついシーズンでもあります。

急斜面は振り返ると後ろには絶景が見えます

【9月~12月】
大変な下刈りシーズンが終わり、再び地拵え・植栽に戻ります。12月中旬からはもう雪が降り始め山に入れなくなるので、天気予報とにらめっこしながら、なんとか雪が積もる前までに終わらせなければいけません。
【12月~3月】
山が真っ白になり、山に入れなくなったら木工仕事のスタートです。春から集めていた木材を使って製品づくりを行います。並行して育苗仕事もあるので、工場やビニールハウスで各々の仕事に取り掛かります。

木工製品のパーツを切って製作をしている様子

ー新潟村上の担当している森の特徴や自然の特徴を教えてください
村上市の自然の特徴としては山と海が近いという点があります。山形県との県境に朝日連峰がありそこから海までの距離がわずか40㎞ほど。時々、奥山で仕事をしていても見通せる場所に行けば海が見えることがあります。また、海と山が近いため市内の中だけでも植生が海岸から山へと常緑樹から落葉樹へとグラデーションがあることも特徴の一つです。冬場は日本海からの湿った空気が山域にぶつかるため、奥山では特に降雪量が多く、ユキツバキやエゾユズリハ、ハイイヌガヤなど積雪に適応した樹木が生育しています。村上市の森林の内訳としては、人工林が約4割、天然林が約6割を占めていて、天然林には主にブナ、コナラ、ミズナラ、ホオノキ、トチノキ、イタヤカエデといった落葉広葉樹が生育しており、春には新芽が芽吹き、濃淡さまざまな緑色で山が彩られ、秋には黄色から赤へと移ろう鮮やかな紅葉が楽しめ、眺めていて楽しい山になっています。地形や気候の特徴から、海から山へ、春から冬へと様々な移ろいが感じられる点が村上の森林の特徴になります。

海と山が近い新潟らしい写真

ーUERUTのメイン拠点として活動が始まっていますが、実際に準備期間から活動が始まっていかがですか?
これまで以上に幅広い方々と関わりながら山づくりができることや、山の魅力や村上という地域の素晴らしさを多くの人に知ってもらえる機会を作れることが、とても嬉しく、楽しみに感じています。UERUTの準備では、返礼品として村上の名産品を取り扱えるように地域の企業を訪問し、協力をお願いしました。
また、木工の素材を村上の伐採現場から調達するため、林業会社にも協力をお願いして回りました。さらに、今回のクラウドファンディングで取り扱う「ヨタカの森」の現場探しも並行して行い、所有者への営業を行いつつ面白そうな現場探しも進めました。大変だったのは、関わる人や新しい事業が増えた分、社内外通してコミュニケーション量が増えたことです。ただ、それは興味を持って下さる方が多いということなのでうれしい悲鳴ですね。ワクワクしているとは、今まででは想像もできなかった森とのかかわり方や森づくりができるようになることですかね。

新潟団一丸となってUERUTを育てていきます!

ーこれからUERUTで実現したいこと/森でやりたいことは?
もっと面白い森づくりができること、それによって現場の仲間がもっとワクワクしながら働き続ける環境をつくっていきたいです。そして僕たちがチャレンジしている面白い森づくりをもっと多くの人に知ってもらい、次の森づくりでさらに多くの人たちと関わりながらできるようにしていきたいです。

道なき道を作って、新潟の森を育てていきます

ーUERUTのお客様に一言
僕たちの活動に興味を持ってくださりありがとうございます!
皆さんのその好奇心と支援のお陰で僕たちが村上という地域でワクワクする森づくりにチャレンジできています。そしてこの森づくりが地域の元気の源になれるように頑張っていきます。森づくりはその時で完了する仕事ではなくこれから何十・何百年と続く仕事になります。
未来の森に関わる人たちもワクワクできるような森を残せるように頑張っていきますので、今後ともよろしくお願いします。
さて!皆さんと一緒にこの苗をUERUTどんな森ができるでしょ~うか?

スタッフ一同より感謝を込めてUERUTをよろしくお願いします。


クラウドファンディングのお願い
現在、新潟団が製作している木工ブランドUERUTの商品をクラウドファンディングで先行販売しております。
冬仕事を作り、1年間森の循環を支えるためにブランドを皆さんに発信していきたいと思い挑戦しています。
ネクストゴール180万円に向けて、ぜひご協力をよろしくお願いします!


◾️UERUTの公式サイトはこちら▼


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