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芝生の感触

 これまたアメリカにいた頃、友人のお別れパーティーのようなものに呼ばれて、その子のお家へ行ったことがありました。その子は大学を卒業して、大学院へ行くのだったか、就職するのだったか、いずれにせよ遠くの州へ行ってしまうことになったということでした。

 たくさんの人が大きな家にあふれていました。思い思いに、食べ物を食べたり、しゃべったりしていました。どういったいきさつだったか、誰かと「じゃあ、庭でフリスビーをしよう」ということになり、はだしになって夕暮れの庭で思う存分フリスビーをしました。

 その時の、解放感たるや!ディスクを追いかけて、広い芝生の庭をあっちこっち駆け回りました。そして、はだしで感じた芝生の柔らかさ。「ああ、私、生きているんだ」という充実感が忘れられません。幸せってそういう瞬間にあるのかもしれません。

 

 

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