Chicagoにとらわれて、夏
出会いは、80'sの名曲を集めたベスト盤を親が流していた小学生の頃だった。
印象的なピアノのメロディーで始まる、
Chicagoの"Hard To Say I'm Sorry"が私の耳をとらえた。
当時は英語なんて全く分からない。
ただそのメロディーが美しい、ということだけ分かった。
中学生になって、英語の自学習としてこの曲を訳した。そして初めてこれが傷つけてしまった恋人に、素直に謝れない不器用な気持ちを抱えながら、君しかいないと許しを乞う歌であることを知った。
それから高校生になって、Youtubeが友だちになり、TSUTAYAで借りてきたCDをWALKMANに取り組む方法も覚えた。
私の音楽的な故郷は、完璧に「親の運転する車の中」にあり、これまで後部座席に寝そべって耳で覚えてきた様々な音楽と向き合いたいと思い、家のMD・CDラックをひっくり返して片っ端から聴いていった。
そしてまた、この曲に出会った。
その時、私は初めてChicagoというアーティスト
名に目を向けた気がする。
TSUTAYAで適当にアルバムを借りてきた。
受験勉強のお供は、Chicagoとジブリのサウンドトラック(確か千と千尋と、もののけ姫だった)だった。
Chicagoの歌詞は、少しずつ英語に慣れてきた耳にはちょうど良い難易度の英語で、きちんと感情を伴った詞(ことば)として沁みてきた。
私は音楽批評みたいなことには全く疎いのだけれど、ジャンルとしてはロック・ポップだとか、ブラス・ロック(初期?)とか、AOR(Adult
Oriented Rock)とか色々言われているんだろうか。改めて彼らの軌跡を辿ってみると、、。
ボーカルが結構代わっていますよね。
確かに何も知らずにいろんな曲を漁っていたので、「あれ?なんか急に声質変わった?気のせい?」と純粋に疑問に思っていました。
私はジャーニーも好きなんですけど、バンドがこうして受け継がれていくのって素敵だなと思います。何というか、バンドと、そこに生きている何か(魂?思想?空気感?)と、ファンが集う場所を守っているんだなと感じます。
ただ、受け継いで繋いでいく人たちの重責は計り知れません。
最近でいえば、SPYAIRのボーカルが交代していました。IKEさんの声にはまさに代わりはいないだろうと思っていましたが、、YOSUKEさんが入っての"オレンジ"のヒット、、胸熱です。
と、まあまあ話は元に戻り、
Chicagoとの出会いを振り返っていたのですが、なぜ今回急にChicagoのことを話しているかというと、この前とあるカフェ(ドトール)で、
「なんだこのChicagoサウンド!」
とビックリした曲に遭遇したのです。
今の時代は便利ですね、、流れている曲が知りたくなったらShazamすれば良いのです。
すると、、、全く知らないアーティスト名が。
Planet 3 feat. Jay Graydon、、、?
ふむふむとgoogle検索してみると、、、
何とジェイ・グレイドンは、デビッド・フォスターとビル・チャンプリンとも共作している、プロデューサー/ギタリストでした。
面白いですね、、、。
この偶然出会った曲はChicagoよりサッパリした感じがあるような?気がしますが、サウンド的に超好みです。
AOR系の曲を聴くと、決まって思い浮かべるのは、夏の夕暮れ時の都市の風景なんですね。
何でしょう、爽やかさの中に込められたささやかなねっとり感というか、それこそ大人のニュアンスが、どうも海辺の風景とかよりも、高層ビルの間に沈んでいく太陽、みたいな感じがするんです。
今年の夏は、久しぶりに80'sに浸るのも良いかもしれませんね、、。
最後に一言。
"Hard To Say I'm Sorry"のラストライン。
散々素直になれなくて、でも悪かったよ、埋め合わせる、約束する、君は僕から取り去ることのできない一部なんだ、なんて言っておいて、、、
で終わるなんて、結局カッコつけてる男の一言がツボですね!!