✴︎Suburban farming life✴︎なぜ農業を?
なぜ農業を志したか?
よく質問されます。
回答は、何となくです...
いや、理由は有るのですが、長くなるので。
今回は長々と、なぜ農業初めたか、実は農家だったなど、営農開始に至るまでの経緯を綴ります。
1、前職
大学在学中に起業や経営、ベンチャーなどに興味を持ち、卒業と同時に会社を設立し、システム開発の仕事を8年間してました。仕事の内容は楽しかったのですが、深夜残業や泊り込みも多く、過酷な時期もありました。休日は、精神的バランスを保つために、釣りにサーフィンと自然に身を置くものに没頭しておりました。システム開発業は、「一生の仕事」には厳しいかな?と思うようになっておりました。
2、実は農家の息子だった!?
父がお試しで畑にオリーブを100本ほど植えたのです。
???
畑あるの?
そうなんです。私は農家でした!
祖父が次男で、分家として畑を少し分けてもらっていたので、父が1反4畝(420坪、1400㎡)ほど畑を所有しております。畑を所有していると市の農家台帳に載りますので、農家になります。
そうなんです。我が家は小さな畑を所有する農家だったのです。私自身、農業を志すまで自分が農家だったとは知りませんでした...
農業を全く知らなかった私からすると、農家は農作物を売ってる人かと思っておりました...お恥ずかしい。
農業機械なし、農業ノウハウなし、農業収入なし。でも小さな畑があるので農家!
3、私とオリーブと雪
祖父は公務員、父は料理人です。農家ですが、「農業」や「営農」はしておりませんでしたので、農地は空き地化しておりました。
そこで、イタリア料理店をしていた事もある父が興味のあったオリーブを植えてみたのです。
最初は私含め家族は全く興味を示さず、父が休日に1人で管理しておりました。
3年目の秋、少しだけ収穫できたオリーブで作った塩漬が美味しかった事で家族の興味が湧きます。
母が陶芸で作る器にオリーブの柄が見られるようになるのもこの頃からです...
そして冬、親戚の結婚式で家族総出でハワイへ。休みが取れなかった私だけ留守番をした金曜日に、10年に一度あるかないかの大雪が降りました。土曜日の朝に畑の様子見に行くとそこには「私とオリーブと雪」
温暖な地域に育つオリーブ、救出しなければとスコップで雪かきをしました。必死で。
今でしたらこのままにしておきますね...このぐらいの雪ではオリーブ枯れませんから...
でも、この出来事で私のオリーブ愛がグッと芽生えたのでした。
4、フェラーリで畑に通えるかも!?
オリーブを職業にする。なんか良いかも。
妄想が膨らみ、通勤中にオリーブの栽培や収益、農業のことを調べていくと、あるWEBサイトでオリーブ栽培を推奨しており、1haも栽培すれば、10年後にはフェラーリでも買えてしまうような収益計画を見つけました。
*今はもうサイトごと消されています。
「こりゃ楽勝だな。」
いやー。浅はかでした!笑
オリーブの収益性は別の機会に詳しく書きますが、栽培を勧める人は良い様に書きます。オリーブ植えてから収穫できるようになるまでは4、5年掛かります。5年間無収入ぐらいの覚悟が必要です。
フェラーリ??買えません!!
私はフェラーリと同じ2シーターの通称“軽トラ”と呼ばれる車に乗っておりますが、これを維持するのがやっとです...
5、天邪鬼に火を付けた!
農家の息子だった事が判明した私。「今日から農業しますっ!」と言えば農家になれます。
一般的に新規就農するには2年間農家での研修を受けるか、1年間県立の農業大学に行くかです。実情は新規就農と同じですので、農業大学への進学を選びました。農業の基礎を学びながら如何に農業が儲からないかを知ります。そして、カリキュラムにある研修期間を使って、今でも色々な事を教えて頂いてる小豆島の高尾農園さんで研修を受けます。そこで、農業の中で如何にオリーブが儲からないかを知ります。
普通ならオリーブやめますね...
どこへ行ってもオリーブ農家になると言うと反対されるか馬鹿にされるかでした。
しかし、前職の時にお世話になった経営者などに話すと面白いね!っと。農業に関連しない人は興味を持つ方ばかりでした。
「これはやり方次第だな。」という思いが募り、その後は反対されたり馬鹿にされる度に火が付き情熱が燃え上がりました!
6、ハマるとトコトンタイプ
前職の時に趣味としていた釣りは、徹底的にハマってました。マグロが釣りたくて青森に、GT(ロウニンアジ)が釣りたくて宮古島、モルディブへ。ヒラマサは北部九州。カツオは南紀、ブリは能登。キハダマグロは地元相模湾。釣り以外の時間はサーフィン。休みの日はずーーーと海の上。ずーーーと散財。
因みに農業はじめてからは道具も全部手放し、釣りもサーフィンも辞めてます。もっと貯金しておけば...
オリーブにハマったそんな私。本場を知りたいとイタリア・トスカーナへ2回ほど行き、オリーブ農家を巡ったり、アグリツーリズモでオリーブ農家に泊まったり、電車で田舎町のオリーブ苗屋を訪ねたりしました。また、カリフォルニア大学デービス校で短期セミナーがあると聞いては受講しに行ってみたりと、どっぷりオリーブにハマりました。
今年で営農開始4年目に入りましたが、今尚オリーブにゾッコンです。以上の様な経緯を知って頂いた上で、冒頭の質問です。
なぜ農業を志したか?
私は農業を志した訳ではありません。
オリーブオイルが作りたくて農業をはじめました。
なぜオリーブなのですか?
オリーブに恋したからです。
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