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やっと再就職した子育てママの彼女が、1日で辞めてしまった。

子育て女性が中心となって運営する会社の組織デザインを担当する紺野です。


この間、新たに採用した女性が、1日入社して、その夜に入社を辞退したいと電話をいただきました。

「とても自分はついていけない、自信がない」という理由でした。

彼女は5才になる女の子のママで、子育ても落ち着いてきたらから、復職に向けて職探しをしていたときに、私たちの募集をみて連絡をいただきました。

何か新しいことにチャンレンジしたい、しかもお給料をもらいながら自分の得意を活かした6ヶ月のビジネスプラン研修を受けられるので、今までの職歴とは関係のない職種に踏み出せそうだと私たちの会社に期待を抱いてくれた点を評価してポテンシャル採用しました。

働き方も、子育てとの両立と、仕事への慣らしを考えて、週3回 午前中だけの勤務で、働く時間も、様子を見ながら無理のない範囲で少しづつ増やしていくようにしていました。

子育て女性が復職に抱きがちな、「両立不安」や、「時間制約」の外的要因が不安の原因でないのは明らかです。


子育て女性が中心の私たちの会社にとって、前職にブランクがあるのは当然ですし、キャリアチェンジをせざる負えない立場も十分わかっているので、

どちらかというと即戦力の人材よりは、むしろ、新しいチャレンジに前向きかどうか、乗り越えられる力があるかどうかポテンシャルだけを見て、採用をしています。そして半年間、起業を想定したビジネスプラン研修を設けています。

それだけに、1日でやめてしまったことは、私たちにはショックでした。

何が、彼女の小さな勇気の芽を、摘んでしまったのか?

小さな芽を育てるつもりで組織デザインをしていたので、まだまだ、転職をしようとする人の不安に寄り添えていなかったのだと猛省する出来事でした。

私たちの会社に応募をいただく方は、前職がアパレル販売員や飲食の接客をしている方で、復職に際して、土日休みのオフィスワークを希望する方が多くいます。


彼女も、前職のキャリアからオフィスワークを希望していましたが、入社1日目で、私たちの主体性をもって自律的に働く姿を見て、自分は無理という印象を受けてしまったようでした。

30才を過ぎて、キャリアチェンジを行うのは、とても不安なことです。

20代は、会社も分からなくて当たり前とみてくれるし、輝かしい未来があり、何より苦労を乗り越えられるエネルギーもあります。

でも、子育てが落ち着くと、30半ば。

社会人経験もあるからエクセルやビジネス用語はわかって当然と思われるだろうと、自分で会社の期待レベルを上げてしまっていることが、不安の原因であることも多々あります。


新しいことにチャレンジするんだから最初は何も知らないのは当然、と開き直ることをアドバイスする人がいます。

でも、そういう人は、成功体験があり、自信がある人なんですよね。


不安の要因は何でしょうか?


ひとつは、本人が、会社が期待していいることを正確に理解していないことが挙げられます。

勝手に相手の期待を上げてしまう。見えざる敵が、怖いのと同じですね。


なので、中途でポテンシャル採用するときは、会社は採用理由を、しっかりと説明すべきでした。

あなたのこの素質は他の人にはない強みだから、こんな将来を期待して採用しました。
最初はできなくて当然ですが、会社が期待する姿に向けて一緒に頑張りましょうね、というメッセージをしっかりと伝えることが必要だ
と痛感しました。


ふたつめは、自分に価値を感じていないことが挙げられます。


不安を抱える人は、これといった成功体験もなければ、努力をした経験もないと思っています。

このような方に、自己を振り返り、自分が気づいていない強みを発見させ自己肯定感を持たせるワークショップも多々ありますが、ワークショップを終えてしばらくたつと、やはり不安になります。

理由は、行動(アクション)に移せていないからだと思います。

不安になる人には、小さくてもいいから役割を与えて体を動かすことが大切だと思います。

最初のうちは、座学学習よりも、明確で簡単な行動業務をさせ、直接的に会社に役立っているという小さな成功体験をさせることが重要だと思いました。


そしてみっつめは、不安を共有しあえる同期が少ないことです。

メンターを置くととか、ブラザーシスター制度をとるとか、不安をカバーする制度をデザインすることもできますが、同僚が同じ子育てママの立場だと、余計に不安にさせることにつながる可能性もあります。こんなにすごいママがいるんだぁという自分の無力感を余計に意識させる。(今回はこれが理由だったかもしれません)

階層型組織と違って、フラットなティール組織は、同じ立場なので、実力差は、イコールその人の価値となりがちです。階層型組織であれば、役職が上なんだから、差があって当然という逃げ道があるけれど、フラットな組織はそうはいきません。

なので、フラットな組織の場合は、不安に寄り添うのは、意外に組織のTOPが常に伴走するのがいいかもしれません。組織のTOPが寄り添っている間、転職者の不安は解消されるはずです。


子育て女性を組織のTOPがポテンシャル採用する判断をしたのなら、不安を解消する責任は、TOPが持つ覚悟が必要なのかもしれまん。

組織のTOPが、転職者に寄り添う仕掛け(制度)とは?

新しい組織デザインを考える必要がでてきました。さて、どうしようかしら。


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