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新年度のはじまり

介護施設へ出張して「歌声広場」というイベントをするのが、私の本業。
約1年前、徐々に徐々にコロナへの心配が増えてきて、
「様子を見ます」
「今月は中止ということで」
と、電話がなると、「またか??」という不安で受話器をとることが増えていきました。
コロナの正体が何もわからなかったこの時期、面会を遮断し、外部からの入館者を締め出す、できるだけ人と接触することを避けて、入居者を感染リスクから遠ざける。
どんなに大変だったことでしょう。
介護施設でのクラスターが各地で起こるのを聞くたびに、そこで働くスタッフさんたちのメンタルが心配になったものです。

当然、私は仕事がなくなり、みなさんとお会いすることがなくなり・・・。


1年経ち、月に35回も行っていた介護施設の「歌声広場」は、再開や中止を繰り返しています。
施設側とすれば、レクリエーションの無い日常は、認知症を進行させ、楽しみがないことで、気力も失せ、元気がなくなっている人たちが多いと聞きます。歌を歌うことで、音楽に触れることで、顔色がパッと明るくなることを知っているスタッフさんたちですから、本当はやりたいのです。
でも、不安や怖さと闘いながらの実施となるのです。

マスク・消毒・検温・アクリル板・ビニールカーテン・ソーシャルディスタンス・・・・・
できる限りの対策を取りながら、再開する施設も増えてきました。
私自身も、マスクははずさず、皆さんとできるだけ距離をおきます。
エレベーターも一緒には乗らず、そばに行くことも避けます。
今までのように、手をとってあげることもできなければ、個人的におしゃべりにおつきあいすることも、当分は我慢です。

「音楽のない生活が、こんなに精神的にみなさんを追い詰めるのかと、この1年思い知らされました。」
ある施設長の言葉です。

4月は契約をかわす月でもあります。
「まだ再開はできないけれど、本年度も契約だけはお願いします」
なんと、ありがたいことでしょうか。

***

バイク移動の折、カゴの荷物の上に『二星テントウムシ』が ご乗車。
小指の先ほどの小さな小さなテントウムシ。
どこから乗っていたのでしょうか。
ビニール袋を優しくピン!とはじくと、空へ飛んで行きました。
元気でねぇ~!

『幸せの予兆』ともされる テントウムシ。
今年度も、なんとか踏ん張りたいと思います。

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