マスク姿で歌うことにも、皆さん抵抗がなくなってきたようです
介護施設での【歌声広場】
実施を止めているところも多いですが、なんとか工夫して開催しようと努めて下さっている施設もあります。
たとえば、「シニアレジデンス」という施設。
要介護者でなくても、ある程度の年齢以上と制限はあるものの、健常者が入居できます。健常者とちがうフロアに要介護者用の住まいも用意されています。
現在は何の不都合があるわけでもないのだけれど、将来、介護が必要な身体になったときには要介護者用のフロアに移るだけで、サービスが受けれるという安心感があるのですね。館内での行き来は自由です。
外出も自由にできるのですが、フロントには職員が常駐して入居者の出入りは把握されています。
入館の際、扉前のカメラで体温が測定できるようになっていて、もちろん、手洗い、消毒、換気、マスク着用・・・
できるかぎりの予防対策を講じて、イベントは進みます。
各居室から集まってこられた皆さんが、席を離して、ぽつりぽつりと座られています。 約1時間のイベントですが、歌を楽しんで頂きました。
介護居室からはヘルパーさんに連れられて、車いすのままの参加者もいらっしゃいます。
歌うことができなくても、ピアノの生音に身をゆだね、身体のどこかでリズムをとっていらっしゃる姿を見ると、「やっぱり、今日やってよかったなぁ」と思うのです。
歌う人たちも、1年前にくらべたら、マスクをしたまま歌うことにずいぶんと抵抗がなくなってきて、途中ではずす人は一人もなく、そのままお部屋へ帰って行かれます。
椅子を並べたり、マイクを用意してもらったり、職員さんたちの協力がなくてはできないことです。
終了後に少し職員さんたちとお話ができました。
「みなさん、かなりストレスがたまったいるんですよぉ~」
「だれでもかれでも、ゲストをよぶことができず、楽しみが減っているので。今日は久しぶりに楽しい時間が過ごせたのではと思います」
外から通勤してきている職員さんたち、自宅でも感染予防対策に気を使い、職場では消毒作業などの実務労働も増え、それに加えて入居者さんたちからの不満も受け止めていらっしゃる。
ストレスがたまっているのは、職員さんたちも同じですね。