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2025/1/13週 週刊SEOニュースと感想
こんにちは。松下 聡太郎(@w55UMqzEVGqD7FP)です。
1月13日週の週刊SEOニュースです。「順位計測ツールが使えなくなる」、「Googleのシェア率低下」などなど結構盛りだくさんでした。
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1.noteとGoogleが提携
||◤お知らせ◢||
— note株式会社 (@note_corp) January 14, 2025
noteは、Googleと資本業務提携を締結しました。
AI技術を活用した新たなサービス開発を加速させ、クリエイターの創作活動をより強力に支援していきます。 pic.twitter.com/7gqwHvLdkn
note とGoogleが提携を発表しましたね!提携の目的は下記と記載されています。
(1)業務提携の内容 本資本業務提携を通じて、当社と Google との間で協業等を企図している事項は、以下のとおりです。なお、 Google が行う事業には当社グループの事業と隣接する分野の事業が含まれていますが、本資本業務提携は両 者の事業を制約するものではありません。
1) note プラットフォーム上での AI 機能開発に関する連携
2) クリエイティブ領域での生成 AI に関する開発
これらの協業により、Google は日本有数のクリエイターコミュニティを通じた日本のクリエイターエコノミ ー市場での認知度向上、note は AI 技術を活用した文章生成・編集支援ツールなどのプラットフォーム機能の 強化及びユーザー体験の向上を実現します。
1番で記載のある「noteプラットフォーム上でのAI機能開発に関する連携」というところが、一番noteユーザーに関係しそうです。このリリースの少し前に早速、2025年2月以降からAI機能が順次提供されていくと告知されていました。noteの編集機能画面からGeminiが利用できるようにもなるとのこと。
記事作成のハードルを下げてくれるツールが続々と出てくるのは期待大です。
トレーニングデータの確保が狙いの可能性もある?
noteとGoogleの提携、やはりトレーニングデータの確保が目的の一つなのかな。Redditと同じく質の高いテキストコンテンツを膨大に利用できるという事か。確かに日本ではnoteほど質の高いテキストが常に集まり続けるプラットフォームってそうそう無いよね。
— おおき/SEO (@ossan_mini) January 15, 2025
今回の提携では「トレーニングデータの確保も狙いでは?」という声も。確かにRedditとの提携のように、そのプラットフォームのコンテンツの利用を目的とする可能性もありそうだなーと見ていて思いました。
ただRedditとの連携を発表したページでは、「Reddit Data API」でGoogleはRedditの大量の情報をリアルタイムで取得できると記載がありましたが、今回はありません。
To enable these and other experiences, Google now has access to Reddit’s Data API, which delivers real-time, structured, unique content from their large and dynamic platform. With the Reddit Data API, Google will now have efficient and structured access to fresher information, as well as enhanced signals that will help us better understand Reddit content and display, train on, and otherwise use it in the most accurate and relevant ways.
記載がないけど、実はデータ連携進めていますということも考えられますが、今回はRedditのような目的での連携ではないんじゃないかと思っています。確かにUGCではあるものの、noteのコンテンツ群にRedditのような生の声のような旨みがあるかというと疑問です。今回は単純にGeminiユーザーを拡大されたかったのかなと思ってます。
2.手動ペナルティを受けてもAIOには表示されると報告あり
Google can show pages with manual actions in the AI Overviews, despite being penalized and not showing in web search results https://t.co/9zOPsy9j6b via @lilyraynyc first and then @glenngabe pic.twitter.com/q8MgDDRupk
— Barry Schwartz (@rustybrick) January 14, 2025
手動ペナルティを受け、検索結果から表示されなくなった場合、AIOにも当然出ない、と思っていたらそうでもないみたいです。
今のところ手動ペナルティを受けたコンテンツであっても、AIOには表示される模様。こちらはバグのような話なので、一過性で終わりそうです。手動ペナルティを課したサイトをAIOでは表示する意図がわからないので、すぐに修正されていくと思います。
3.検索エンジンのGoogleシェア率が2015年以降初めて90%を下回る
Google's search market share drops below 90% for first time since 2015 https://t.co/cVTBhwHJ9o pic.twitter.com/s3U1oQllwa
— Barry Schwartz (@rustybrick) January 13, 2025
2015年以降から初めてGoogleのシェア率が90%を切りました。代わりにbingが伸長しているようです。
注意ですが、こちらの統計には生成AIは入っていません。生成AIの登場と一緒に語るとミスリードになります。
また注意注意で恐縮ですが、こちらのデータに疑問を投げかける人もいます。
実際に何度か、数値の訂正が入ったこともあります。もしかすると今後またこの数値も訂正されるかもしれません。
Googleセッション数が4分の1という話はミスリードになるので注意
最近、Googleのセッションが下がっているという話がありました。あの数値はほぼ意味のない数値なので、今回の件とも、また生成AIと検索エンジンとの戦いとも何も関係ありません。
あるサイトがGoogleの中でどの程度のシェアを取れているかを推定するツールです。
あくまでGoogleの獲得しているシェアの中での内訳を表しているだけなので、Googleとその他検索エンジンのシェア率を測ることはできません。
例えばXで、X公式アカウントがどの程度のインプを出しているかを出した数値です。なのでX公式アカウントのインプが落ちた事象に対して、Xのシェアが落ちたと言っているようなもので、、、あまり示唆のない数値です。
4.ストアの評判にお客様の声というセクション追加
The "Store reviews" dialog now includes a "What customers say" section in Chrome Canary, this section will host the AI-generated summary of user reviews for the current site; and the button to open the Side panel with all reviews now works:https://t.co/qql5BVwPl9 pic.twitter.com/5T58siB67l
— Leopeva64 (@Leopeva64) December 26, 2024
日本では未実装の機能であるストアページの表示ですが、この中に「お客様の声」というセクションが追加でテストされているようです。
ポストではAI生成概要が表示されると記載されていますが、動画を見るとAI Oのような要約は見当たりません。ですので、AIによるリスト化、抜粋というのが近いのかもしれません。
どちらにせよ、ECサイトの評判を手軽に閲覧できる分、ECサイトが信頼に足るかどうか?のジャッジも早くシビアになっていくでしょう。
今後もこのECサイトへの機能テストはかなり重要なトピックの一つだと思います。
5.Microsoft Clarity にアテンションヒートマップ
🔥 𝐍𝐞𝐰 𝐇𝐞𝐚𝐭𝐦𝐚𝐩 𝐀𝐥𝐞𝐫𝐭: 𝐀𝐭𝐭𝐞𝐧𝐭𝐢𝐨𝐧 𝐌𝐚𝐩𝐬🔥
— Microsoft Clarity (@msftClarity) January 15, 2025
We’re thrilled to introduce attention maps, a new feature to help Microsoft Clarity users understand what parts of your web pages users spend the most time on. ⏲️
Attention maps provide data on time spent on a… pic.twitter.com/IqK8omIe9O
アテンションヒートマップがClarityに登場するようです!いわゆる熟読ポイントです。私自身はClarityではなく、別のツールを使っていたので知らなかったのですが、Clarityにはアテンションヒートマップ無かったんですね。
テレビで言うと視聴率の高いポイントを確認できるので、改善の際はかなり重宝していました。
Xを見ていると、有料ヒートマップツールとの違いでよくアテンションヒートマップについて話題に上がっていたようです。今回の実装でますますClarityから有料ツールに切り替える必要性が薄れていくかれませんね。
6.「Google ショッピングのランキング要因」を発表
Googleショッピングのランキング要因が紹介されていました。概要は以下になります。特に気になったのが、日本では未実装のストアページでの評価が明確にランキングと相関があった点です。全ての商品の順位に影響してしまうので、ここのレビューを挙げていくことはかなりインパクトが期待できます。(プラスにも、もちろんマイナスにも・・・)
日本でも本格的にスタートした場合、ECサイトのストアページのレビューを上げていくことは担当者にとってマストの課題になっていきそうです。
・Amazon.com は Google ショッピングで明確な勝者であり、52% の確率で 1 位にランクされています。続いて Walmart (6% の確率で 1 位にランクされています)、Home Depot (3% の確率で 1 位にランクされています) が続きます。
・全体的なリンク権威( Ahrefs Domain Ratingで測定)は、調査したすべての要素の中で Google ショッピングのランキングと最も強い相関関係がありました。
参照ドメイン– 上位 2 位にランクインした製品ページの参照ドメインは、3 位から 10 位の 2.72 倍でした。
タイトル タグ– タイトル タグ内のキーワードの使用と上位ランキングの間には、わずかな相関関係しかありませんでした。
メタディスクリプション– メタディスクリプションに正確なキーワードフレーズを記載した製品ページは、記載していないページよりも著しく優れたパフォーマンスを発揮しました。
H1 ヘッダー タグ– H1 ヘッダー タグでの完全一致キーワードの使用は、ランキングとほとんど相関がありませんでした。
URL の長さ– URL の長さとランキングの間にはわずかな相関関係がありました。短い URL は長い URL よりもわずかにランキングが優位でした。
製品タイトルの長さ– 製品タイトルの長さもランキングとの相関関係が非常に低く、短い製品タイトルの方が長い製品タイトルよりもわずかに上位にランクされました。
検索トラフィック– 従来の Google 検索で上位にランクされる製品ページは、Google ショッピングでも非常に上位にランクされます。ショッピングの上位 2 位のページは、3 位から 10 位のページよりもオーガニック検索トラフィックが 4.4 倍多くなっています (Ahrefs による測定)。
顧客レビュー– 顧客レビューのある製品は、レビューのない製品よりも大幅に優れたパフォーマンスを発揮しました。
星評価– 店舗の星評価とランキングの間には若干の相関関係がありました。全店舗の平均星評価は 4.37 でした。
製品の価格設定- 低コストの製品は、高価な製品よりも大幅に上位にランクされます。
Google ショッピング スコア– Google ショッピングスコアが高いストアは、スコアが低いストアよりもパフォーマンスが優れています。
構造化データ– 製品の構造化データは、ランキングと基本的に相関性がありませんでした。
面白い事実ですが、Amazon のどの商品ページにも構造化データは存在しません。
7.ファビコンが巨大化するテスト
SEO News: Google is now making favicons more engaging on mobile devices by showing a larger logo preview that isn't just the icon.
— Brodie Clark (@brodieseo) January 16, 2025
Instead of the standard more simplified logo, the new test sources a larger square variant when available (more details in the comments)
I like it! pic.twitter.com/FsMAvs7IHE
ファビコンの表示にちょこちょこ変化を加えているGoogleですが、またしても新しい表示をテストしています。
私の環境では再現できませんでしたが、共有された画像を見る限り、かなり大きくファビコンが表示される仕様になっているのが見て取れます。
ファビコン表示については、「誰?」を強化する施策だと思っています。「どのサイトがどんなページを出しているのか?」が希薄だった検索の世界ですが、これも大きく変わっていっています。
希薄だったことを裏付けるのが寄生サイトの流行です。「ドメインさえ借りられれば良い」という発想になりやすいのも、「そもそも誰が発信しているか?」という点にユーザーがそこまで頓着していないことが挙げられます。
こういった点を改善したいがために、ファビコンを改良しているのかなーと個人的には考えています。今後、もっと巨大化したり目立つような配置になっていくかもしれませんね。
8.Google が bot 対策の変更で順位トラッキングツールに影響
Google search ranking volatility continues but the tools may be having a hard time tracking volatility with possible new blocking mechanisms in place - more details at https://t.co/7Z0MIy9Ckh thanks to @TomekRudzki @glenngabe and many more
— Barry Schwartz (@rustybrick) January 17, 2025
今週最も大きなニュースかもしれません。
15日夜ごろからGoogleがbotによるスクレイピングを制限する仕様変更を行なった影響で、有名どころも含めた様々なSEOツールで不具合が起きています。
有名ツールも被弾
Interesting to see some tools showing visibility tracking bouncing back after the initial Google block. I guess the cat and mouse game continues. For example, Ziptie, Semrush, and Advanced Web Ranking all show a reversal from that drop... And I noticed ahrefs correctly picked up… pic.twitter.com/VvCK1BiHyQ
— Glenn Gabe (@glenngabe) January 18, 2025
GRCのエラーが起きているけど、GMO順位チェッカーの方だとYahoo!の順位は更新されているけど、Googleの順位が「取得中」から更新されないからGoogle側の問題で起きてるのではないかと思うのは気のせいなのか? pic.twitter.com/fFLwmyDsT3
— yishi_chuan (@yishi_chuan) January 17, 2025
ラッコキーワードから障害発生のお知らせです。
— ラッコ株式会社 (@rakko_inc) January 17, 2025
一時的なデータ取得の問題により、以下の機能において処理が遅延・失敗する可能性がございます。
■処理の遅延/失敗が起こりうる機能
・関連キーワード(一部条件下において)
・見出し抽出
・共起語
・一括キーワード調査(SEO難易度取得)…
有名どころのツールも含めて影響範囲はかなり大きいです。状況について、週明けにも各社から出てくるとは思いますが、15日夜以降のデータに関しては、数値を疑って見た方が良いかもしれません。
検索結果から情報を取得して機能するものは、基本的に怪しいです。
(例. 順位トラッキング、サジェスト、関連KW取得、変動値確認 など)
そもそもスクレイピング禁止されていたのでグレー
今回の騒動で初めて知りましたが、Google検索結果をスクレイピングする行為は明確にポリシーで禁止されていたみたいです。
当たり前にツールを使用していましたが、NGだったとは知りませんでした。今後も、このあたりの機能は制限がかかる可能性が捨てきれません。
とはいえ、SEOの定点観測や分析などをする際にはこう言ったツールに頼らざるは得ないのですが、、、
確実に信じられるのはGoogle純正のツールのみになりそうです。GA4、サーチコンソール、キーワードプランナーあたりですかね。
それ以外が使えなくなったら、他社分析が本格的にしんどくなりそうです。
9.AIを使用したコンテンツかどうかをGoogleは見ている?
コンテンツにAIが使われているかどうかをチェックする機能が何かしら存在するのでは?という報告。
面白かったので掲載します。前提として生成AIの使用自体は禁止されていませんし、使用をしても順位はつきます。Google自身もAIを禁止することはなく、あくまで質を見るといっています。ここの感触は実際にAIで制作したコンテンツを公開してみての自分の感触と合致します。
こうした背景はありますが、やはり生成AIかどうかを判断する機能は存在するようです。この判別の結果が何に使われるのかは不明ですが、あまりにAIへの、丸投げがすぎると何らかの影響はあるかもしれません。
また過去にAI生成したコンテンツはAI生成であることを明記するべきというスタンスもGoogleは示しています。今回の報告から考えるに、生成AIで作ったコンテンツを「AI生成」と明言しないことがバレる可能性は高いと言えそうです。多分ほぼ全てのAI使用者が明言していないと思うので、ここのリスクはみんなが抱えていることになりそうですね。
何のために生成AIによるコンテンツの判別があるのかは今後の動き含めて答え合わせができる日がきそうです。
過去のニュースは下記からどうぞ
以上が1月13日週で気になったニュースです。SEOツールへ向けたアップデートがあるとは思いもよりませんでした。Googleの気まぐれでここまで振り回されてしまうのか、とちょっと怖くなりました。
今回の件でGRCが最も影響を受けていそうですが、今後どうなっていくのか気になります。知名度もこの界隈では抜群で利用者も多いでしょうし、、、。無くなるということはないとは思いますが、復旧頑張ってほしいですね。。。
ここまでありがとうございます。過去の気になったニュースは下記にまとまっています。気になる方はこちらも合わせてどうぞ〜。
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