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雷Everything

会社を出ると、雷の「ゴロゴロゴロ」という音が、空高く雲の上の方から聞こえてきた。あたりは薄暗く、雨は降っていない。
雨は降っていないのに、雲の上の、私たちからは見えないずっと高いところから、雷の音だけがゴロゴロゴロと聞こえている様子がなんだか不気味だった。

私はいつものようにワイヤレスイヤホンを耳に装着し、朝の出勤時に聴いていた曲の続きを流した。
今日は嵐のベストアルバムを朝から聴いていた。途中から再生されたのは「Everything」という曲だった。

現実に起きている不穏な天気と、爽やかな「Everything」があまりにもミスマッチで、一瞬脳がバグった。

天気が悪い日は”普通”は気分が下がるし、“普通”は暗いイメージ、という認識があったからだと思う。

もし天気が悪い日に爽やかな曲を聴くのが私にとっての“普通”であれば、今日のような脳のバグは生まれていなかったかもしれない。

今まで生きてきた経験の中で培われてきた私の”普通”と、実際に起きたことにギャップが生じると、脳はびっくりしてこれまた不思議な感覚になる。

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