なんとなくWebディレクターになって7年目で思うこと
「何にもないWebディレクター」こと、みどりの戦士です。約1年のブランクはありつつも、自己紹介でも書いたようなしょうもない理由でWebディレクターになって7年目で思ったことや学んだことを書いていこうと思います。
Webディレクターに必要なのは謙虚さと配慮
ちょっとPC使える程度だった私が、しょうもない理由からそれっぽく面接受けてこの業界にきて、数回転職しつつ、幅広いジャンルの案件をさせて貰っています。
Webディレクターという仕事を調べて貰えればわかりますが、「プロジェクトの指揮・管理を行う人」で、デザイナー・ライター・エンジニアなどのスタッフをまとめて予定通りに進め、プロジェクトをゴールまで導く。主な仕事は、クライアントとの打ち合わせ・コンセプトや企画の立案(設計なども)・進行管理・品質管理などが主な業務です。
これは所属元にもよると思いますが、デザイナーやエンジニアのアサインはだいたいプロデューサーや管理職が行うのであまり自ら動くことはない。デザイン以降を外注すれば、そっちでもディレクターが立つのである意味Wディレクションで、足りない知識は盗めるし、相性がよければいい感じに補いあえる。
とはいえ、UI設計や仕様設計など、デザインやコーディングに移る上でのベースはディレクターがやりますが、この辺も全部ひとりでやろうとせず、適宜デザイナーさん達も巻き込めばいいし、不安だったらエンジニアさんに「こういう機能作りたいんだけど実現できますか?」って聞けばなにかしらの回答が来るので…(笑)
もちろんUI設計する上でのある程度の知識は必要だけれど、特別なツールや特殊スキルがなくてもまあ出来るので、わざわざ専門学校などに通わなくても基本知識は身に付きます。
学校やセミナーで学ぶ積極性は大切ですが、わからないことはわからない、助けてほしいときは声をあげるなどの基本的なコミュニケーションと謙虚さ、ある程度の計画性と任されたことへの責任感があればなんとかなると思います。
よくディレクターやプロデューサーは「コミュ力が大事」と耳にしますが、このコミュ力は決して交友関係が広いとか、誰とでも仲良くなれるとか、社交の場に出るとかそういうのじゃなくて、一緒に仕事をするメンバーやクライアントへの配慮だと私は思うのです。
別に上手く喋れなくたってそれは場数を踏めば話せるようになるし、配慮さえあればとんちんかんな質問したって手を差し伸ばしてくれると思う・・・多分。内心面倒だとか、嫌だコイツ!って思ってる人も居るはずですが、私はそんな感じでやってきました。
誰でもできるけど兼ね備えたいモノ
こんなこと言うと怒られそうですが、Webディレクターは知識ゼロでも誰でも最低限のPC操作さえできればなれると思う。
でも、兼ね備えておきたいモノがあって、それは学ぶ意欲だと思います。
業界には結構多いと思いますが、元デザイナーです、元エンジニアです、元ライターですっていうディレクターさん。
私はディレクターやプロデューサーという仕事が「専門職(デザイナーとか)のステップアップの先にあるもの」とは思っていませんが、やっぱり元○○な方は知識の引き出しも多いし、共通言語で話せるのでデザイナーやエンジニアからするとやりやすいと思いますし、普通に安心して任せられますよね。
しかも業界としても日々新しいことが出続けるので、何もない私としてはそういった人は純粋に凄いなって思うし、コンプレックスにもなっています。
ただ、この“学ぶこと”というのは、業界の知識とかだけではないと思っていて。クライアントのこと、案件のことへの理解を深めるというのも含むというか、むしろそっちの方が6:4の割合で大事だと私個人としては思うのです。
ディレクターの仕事として「コンセプトや企画の立案」というのがありますが、この中にクライアントが抱える課題を解決したり、クライアントの無茶ぶりの防波堤になることも含まれます(笑)
ちなみにプロジェクトを成功させるためには、我々制作側だけじゃなくてクライアントにも協力してもらうことが大事です(成功の概念はさておき)。足並みを揃えるには、「あなたたちの悩みを解決したいから、ここまで調べたんだけどちょっとわからない。だから一緒に考えて欲しい、力を貸してね」って感じのスタンス。
ベタなことで言えば「御社の○○という商品使ってみたんですけど~」的なことなのですが、これを上辺だけじゃなくて本当に実践してみると、一緒に考えてくれるし、クライアントの無茶振りに対しても「あれ、具体案は浮かばないけどこれじゃない案の方がいい気がする」みたいな直感が働くので、結果的にクライアントやメンバーを巻き込んでいい提案ができたりもします。
なので、専門知識は相当努力しないと元○○な人を超えるのは難しいですが、何もないなりにこういう学びの方向もありますよ~っていう結論です。
先程は全部ひとりでやらなくてもプロ(デザイナーやエンジニア)を巻き込めばいいと言いましたが、やっぱり知識はあるに越したことはないです。でも、最初から知識なんかないので、どんな方向でも学ぶ意欲さえあればそれが知識にかわるのでこれがあればいっかな~と思いますし、色んなディレクターがいてこそ組織は活きると思っています。
社内の便利屋で居る期間は長い
Webディレクターって本当に幅が広いんですよね。会社にもよると思いますが、私の所属会社は制作はもちろん、動画・SNS・コンテンツ・リアルイベントなどなど多種多様すぎなくらいたくさんの案件引き合いがあります(ありがてえ)。
中途社員だと、前職で極めた何かがあるので、割とその得意ジャンルの案件にアサインされることが多いのですが、私のような何もない人や未経験に近い人は、人手が足りないところやリスクが低そうなところにポーンと投げられがちです。
入社当初、私は社会人2年目だったので本当にいろんなことをしました。正直「これってディレクターって言えるの?」っていうことも(笑)
例えばSNSの投稿するだけ、コメントの検閲するだけ、CMSにコンテンツを登録するだけ、ちょっとしたコピーライティングまがいのことをする、レポートの集計だけする、企画書を書くにあたっての調査だけするなど…地味な作業ばかりの時期。契約書や受発注対応、予算管理などの事務的なことばかりな時期もあって、ときどき何やってんだろうと思ってた。
新卒で入った会社では、飛び込み営業とかも行ったので、会社によっては営業から丸っとディレクターが担うっていうところもあります。もはやディレクターの定義ってなんだろうとは思いますが、そういうもんなのかも。
ちなみに私が便利屋だったのは5年目の途中くらいまで。
割となんでもできる人間には仕上がる
正直、未だに良いディレクター・優秀なディレクターの定義はわからないです。
ディレクターってひとくくりにされがちだけど、それぞれ得意不得意な領域があるし、プロジェクトの中でディレクターってひとりじゃないケースも結構あります。
事故るときは事故るし、クライアントやパートナー会社も協力してくれないとスケジュールはズレ込むし・・・
一緒にやるデザイナーやエンジニアにとっては、共通言語が通じて、クライアントの要望を齟齬なく伝達して差戻しが少なければやりやすいと思う。一方で、クライアントにとっては専門用語を話されてもわからないので、いかに寄り添ってくれて要望を叶えてくれて・・・みたいな人が嬉しいだろうし。この両方が出来ればきっと優秀なディレクターなのかな?
そ私のようなほぼ新卒並みのポンコツ採用(よく言えばポテンシャル採用)の人は、いきなりお任せできるほど長けている分野もないので、事故るリスクが低そうな案件やネコの手も借りたい案件にアサインされていたので、特定の分野にとどまらない仕事をしていました。
また、新卒のような手厚いお世話係もつかないので、自分から動かないと「クソみたいに使えない人材」というレッテルを貼られるので痛い位必死だったと思う。
つまらない期間は長かったけど、その中でやってみたいことや伸ばしていきたいところ、得意なところが見出せます。
また、浅く広く対応はできる人間に仕上がるので小回り利くし、やろうと思えばなんでもできます。
「なんでもできます=何も強くありません」という解釈もできますが、あくまでも組織の中でディレクターをするのであれば、そういった人が居てもいいんじゃないかな。ゲームキャラだって、バランス型も居れば特化型も居て組み合わせることでいかようにもなりますしね!
何もできないなりに思ったことを書きましたが、今のままではダメだな~とはちゃんと思っています(笑)
社会人7年目って言えばリーダーポジションな役職が付いたりする人が多い年代だと思いますが、私は見ての通りポンコツな平社員。同年代の中途の人が、前職では主任やら編集長やら・・・役職が全てとは思いませんし、管理職は大変そうだけど焦りがないわけではないです。
でも、一生ディレクターするつもりもないので、最近は英語や投資のお勉強をしています。