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人里の巨木・古舘の大ケヤキを未来へつなぐ №2

◇大ケヤキの調査◇

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 幹割れを起こす恐れがあるという大ケヤキ、その状態はどうなのか。写真中央の太い幹の3つに分岐する部分、その両側に割れが見えます。文化財保護という観点ばかりでなく巨木保護など、あらゆる可能性を含め、福島県と話す中で、改めて調査をすることになりました。2022年5月、福島県都市公園・緑化協会あづま総合運動公園の樹木医による調査が行われ、幹の分岐の割れの状況や枯れ枝、葉や根の状況を診察しました。

 今回の調査で「分岐点の幹割れは割れるのではなく、割れをふさごうと肉が盛り上がっている。その途中だ」との説明でした。さらに「葉の色はよく、根の状態も今すぐどうということはない。今後の手入れ次第で長生きできる」との診断でした。今までの不安を吹き飛ばすような話でした。「割れるのではなく、くっつこうとしている?それなら、何としても残さなくてはならない」と地元町内会長らは、伐採から保存へ今までの方針を180度変更することになりました。

 これまで「幹の分岐部分に亀裂があり、地上から分岐部分まで内部は空洞化している。また内部や東、北側の幹にコフキサルノコシカケが生えており、腐朽の原因と考えられる」などの指摘があり、地区では「いま切り倒さなくては将来の子孫に苦しみを残すことになる。我々の時代に禍根を払しょくしておかなくてはならない」と苦渋の決断をしていたのです。それが一転「大ケヤキを残せる、切らなくていい!」ということになりました。地域の人たちは「よかった、本当に残せるんですね」と笑顔、笑顔、笑顔。うるんだ瞳が光りました。

 さてここから保存に向け、どうすればいいのか。まずは市との協議。そして市の考え方を議会で伺うしかないという思いで福島市議会6月定例会議に臨んだのでした。




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