山の厄介者、生まれ変わる
こんにちは、グリーンディスプレイ トヨオカです。
今回は、山では厄介者扱いされているものがディスプレイとして生まれ変わった過程をお話いたします。
昨年、とあるオチャノキプロジェクトでお世話になっている静岡県掛川市のNPO法人の方より
「藤ヅル使いませんか?たくさんありますよ!」とお声がけいただいたのが始まりです。
藤ヅル、あの鬼を滅するアニメに出てくる、紫の花を咲かせる藤のツルです。
どんなものかと数本サンプルで送っていただきまして、想像以上に立派なツルでした!表面のゴツゴツ感、幹のうねりが美しい!
弊社独自開催の展示会で森の中感を演出するために壁や天井に這わせてディスプレイをしました。
実は厄介者だった
そのうち、この藤ヅルは山の厄介者だということを知り驚きました。
今年の4月に山をご案内いただくことに。
そこで厄介者と呼ばれている意味を目の当たりにします。
藤は大変生命力が強く、手入れがされていないとぐんぐんツルを伸ばし、周囲の木や建物に絡みついてしまいます。締め付ける力も強いため一度絡みついてしまうと取り外すのも難しく、時には木を枯らしてしまうことも。
木を伐採する際絡まったツルが邪魔をし、思うように倒れず人が怪我を負ってしまったり、千切れたツルが人や車の上に落ちてくる事故が多々発生しています。
案内された山は、20m近くに成長した木々がしげっています。
そんな大きな木をものともせず巻きつく藤ヅルを見つけました。
中には木から木へ橋渡しに巻きついたり幹が太く成長し、一見藤とは分からないものも。目を凝らしてよく見てみると周りは藤ヅルだらけでした。
藤ヅル、生まれ変わる
ちょうど今年6月に開催に弊社独自の展示会開催が決まっており、そこに向けて藤ヅルのアーチを制作しました。
展示会のテーマが「森」だったので、その世界観ともマッチしました。
手仕事を感じられたり、サスティナブルな商材を紹介するエリアにて展示をし、ご来場いただいたお客様からは「厄介者だったなんて信じられない」「形がかっこいい!」「せっかくなら意味のあるものを使いたい」という反応をいただきました。
美しさと厄介者、表裏一体な存在。
藤も自然界で生き抜くために仕方のないことですが厄介者として頭を悩ませている反面、平安時代から源氏物語などの文学作品に登場し、雅な美しさと優美な香りで人々を魅了し、古くから愛されてきました。
そんな背景に共感してくださる方、樹形に魅力を感じてくださる方の声にお応えすべく、ディスプレイ会社としてお力になれましたら幸いです。
まずはこの山の藤から!
お気軽にお問い合わせください。