-小説- うたたねのこぼれ種【6.りんご】
俺は、バンドを始めることにした。
暇そうにしていた大介(だいすけ)、光樹(こうき)、拓海(たくみ)を誘ってみたら、意外にもあっさりOKしてくれた。それから、音楽のことがわかる奴もいた方がいいと思って、ほとんど喋ったことはないが、中学の時に吹奏楽部でトランペットをしていた聡(さとる)にも声をかけると、「僕でよければ」という控えめな言葉と共に入ってくれた。
ここから先は
4,623字
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?