いろ日記 3【3/17-3/24】 -日記小説-
ある人の ある3月の日記です。
●3月17日 「 ショッキングイエロー 」
すれちがった小さな女の子とお母さん。手をつないでお散歩かな。
まだ明るい夕方だけど、お母さんは反射材のたすきをかけていました。
たすきのショッキングイエローがその道の中で一番目立っていて、あたたかい色に感じました。
●3月18日 「 えんぴつのいろ 」
なつかしい歌が頭に流れてきました。何ででしょう。
その歌は、えんぴつでひいた線のいろ。
ペンでも絵の具でもなくて。
4Bくらいの線のいろ。
線を指でなぞるとぼやける感じを思い出す。なつかしいな。
●3月19日 「 ミルクココアいろ 」
つかれたからあまいあまいココアをのみました。
ミルクココアいろにつつまれて、
わたしはふかふかになりました。
●3月20日 「 霧色 」
今日も寒くて、ゆっくりと白湯を飲みました。
白湯は何で白湯というのでしょう。
とうめいの中に白い粒が舞っている。
いつか見たきりの景色の色をしています。
●3月21日 「 カレーの黄色 」
白い服にカレーがはねて黄色の丸ができました。
鍋の中は茶色く見えるのに、実はこんなに鮮やかな色だったのかとおどろきました。
ちゃんと落ちるかな。
●3月22日 「 続・カレーの黄色 」
昨日のカレーの染みは、ちゃんと落ちて、白くなりました。よかった。
今日は気をつけてカレーを食べました。
●3月23日 「 まっくらまっくろ 」
障子に開いた穴の向こうが、
まっくらでまっくろでした。
こんなに小さい穴なのに、
引きずり込まれてしまいそうです。
まっくらの力は強い。
●3月24日 「 焼いたお餅色、きなこ色、黒豆色 」
今日すれちがった犬の色。
みんなニコニコしてました。
おさんぽって楽しいですよね。
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