いろ日記 19【7/7-7/12】 -日記小説-

ある人の ある７月の日記です。

●７月７日　「 白い世界 」

ハンカチ受け取りの日。早速、白いガーゼ生地のハンカチを使いました。ふわふわとやさしい。

青空には、雲がまっすぐ平らに広がっていて、その上に雲の王国が作れそうだと思いました。どこまでも白い白い世界。

真上には、ドラえもんのポケットみたいな、ニッコリ笑った口みたいな、白い月がありました。

●７月８日　「 赤色の車 」

バイトの南さん、何だかすごい。
まだ一緒に働いて数日だけど、私、疲れてないと気付きました。人疲れという意味の疲れを感じていません。
よく分からないけど、すごいことです。

そう思った時、通り過ぎた赤色の車。

●７月９日　「 ドラえもんブルー 」

今日は、雨なので家でのんびり。
いつものんびりしていますが。

昨日借りてきたDVDを見ました。「ドラえもん　のび太と雲の王国」。楽しいイメージだったけど、こんな深いお話だったんだとおどろきました。おもしろかったです。

●７月10日　「 海の色 」

今日は、世界の海のDVDを見ました。
今日も雨でしっとりしているので、自分も海にいるような気持ちで見ていました。
海の色は場所ごとに違っていて、どれも美しくて、ずっと眺めていたいです。
海を泳ぐ魚たちを見に行きたくなって、今度、水族館へ行ってみようと思った時に坂野さんが思い浮かんで、えいっとメールでお誘いしてみたら、ずっと経ってからお返事が来て、「遅くなってすみません。実は今日も仕事でして。またメールします。」と。大変そうでした。

●７月11日　「 もやもやいろ 」

今日は、朝早くからザワザワしていて、私までどこかソワソワしていたら、南さんがどこで聞いてきたのか「何かトラブルがあったみたいですね」と。
そう口に出してくれて、何だか心強かったです。一人だったらこの雰囲気に小さく小さくなってしまっていたと思います。

●７月12日　「 虹色 」

今日は、ハンカチお渡しの日の予定でしたが、少し坂野さんの姿を見かけましたが、そんな雰囲気もタイミングもありませんでした。

帰り道、空が晴れているのに雨が降っていました。「こういうのを、きつねの嫁入りって言うんだよね」という誰かのはなし声が聞こえて、そうでした、きつねの嫁入りと言うんだったなと思いながら歩いていたら、建物の合間の空に虹が見えました。
とてもいい日でした。