いろ日記 16【6/17-6/24】 -日記小説-
ある人の ある6月の日記です。
●6月17日 「 コーヒー色のハンカチ 」
今日、坂野さんがこの前お渡ししたコーヒーを包んでいたハンカチを使ってくれていました。
「コーヒーおいしかったです!どこのお店なんですか?」
と聞かれたので、お店の説明をすると「今度行ってみます」って。
気に入ってもらえてよかったです。
●6月18日 「 シルバー 」
きらりと何かが視界に入って、目の前を小さなほこりがたゆたっていました。
ほこりが上にのぼって、見失ったと思ったら、しばらくするとまた目の前をゆらゆら。
じっと見ていたら、ちょっと目がおかしくなりました。
●6月19日 「 あわいきたいいろ 」
今日は、この前、坂野さんへ紹介したキュリアスコーヒーさんに行きました。
坂野さんにばったり、
というわけもなく、アイスカフェオレ用におすすめしてもらったコーヒーを買って帰りました。
多分、どこかで、会えるかもって思っていたんですよね。
●6月20日 「 あさのコーヒーいろ 」
キュリアスコーヒー、坂野さんはおととい行ったそうです。
そんな気がしたんですよね。
早速行ってくれて、うれしいじゃないですか。
坂野さんは、モーニング用のコーヒーを買ったんですって。
●6月21日 「 生クリーム色 」
今日はハンカチお渡しの日。
一週間ってあっという間ですね。
一日一枚のハンカチのおかげで、おだやかな気持ちで過ごすことができています。
坂野さんがアイロンをかけたハンカチのなめらかさを色で言うと、生クリーム色です。
●6月22日 「 電気を消してしばらくしたら見えてくる部屋の色 」
そして、もうハンカチ受け取りの日。
昨日お渡ししてすぐにアイロンをかけてきてくれました。
お疲れだと思うのに。
ふふふという気持ちと、すーんとした気持ちが同時にあって、それは坂野さんの不思議さやわからなさに対する気持ちなんだろうなと思って、そういうのはいいやと思いながら、わからないはわかりたいということなのか、結局気持ちは同じところをめぐっています。
眠れない夜のように考えてしまう根本にあるのは初めからたぶん一つ。
何で私のハンカチにアイロンをかけてくれるのか、ということ。
●6月23日 「 樹皮色と幹色 」
ねこがいると思ってそっと近づいてみると、大きな木の皮でした。
見上げると、皮がはがれてすべすべした幹がすっかり見えている木がありました。
その幹はちょうど家にあるテーブルのような白っぽい色でした。
木が枯れたりしないといいけどな。
●6月24日 「 アセロラジュース色 」
暑くて暑くて、疲れた自分をはげますために、冷たいアセロラジュースを飲みました。
夏の太陽の色みたいなアセロラジュース。
飲むと涼しくて、疲れが少し流されました。
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