見出し画像

-小説- うたたねのこぼれ種【7.桃】

 

「店、ここやで」
「ここか。例のウーロン茶のうまい店は」
大介の後に続いて亮が「居酒屋 ぐるり」と書かれたのれんをくぐると、威勢のいい声が響いた。
「いらっしゃい。おー、来たな、亮」
「おい、拓海か。ここで働いてんのか」
「俺の店や。店長さんやで」
 続いて、カウンターに座る客が亮に声をかけた。
「亮、久しぶり。俺らわかるか?」
「おー、光樹と聡や。久しぶりやな」

ここから先は

1,820字

¥ 100

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?