大学職員の転職活動失敗記録~ベンチャー企業社員へ~
今回は大学の施設系技術職員として施設の設計や工事の施工管理などの業務で電気系を専門として担当している私が、とあるテック系ベンチャー企業の審査に合格するまでの話を綴ります。
今回の話は大学職員はもちろんゼネコン業界やビルメンテ業界で働いている方でも応用できる話と思いますので最後まで読んでいただけると嬉しいです。
初めて読む方は先にこちらを読んでいただけると私がどんな仕事をしているかという今回の前提条件が分かるかと思います。
■きっかけ~病を発症~
転職活動をしようと考えたきっかけは、現職でそれなりに自信もついて独り立ちして業務に当たるうちに別の分野を覗いてみたいと考えるようになったためです。確かに国立大学職員というポジションは手放すにはそれなりに勇気が要るポジションです。しかし乱暴に言ってしまうと”この半ば飽きた環境であと30年弱過ごせ”と言われるとすごく窮屈に感じてしまいました。そして”人生このままでいいのか”というよくある病にかかってしまいます。そこで転職活動に臨むことにしました。
■まずやったこと~ビズリーチ☝~
半信半疑でビズリーチに登録しました。友人がこのサービスを利用して転職したことを聞いていたからです。この時点では「自分にコンタクトをとってくる企業はゼネコン関係が多いだろうな」と予想していました。私が普段、大学で電気設備の設計や工事の施工管理をしているためです。しかし予想外の企業を勧められることになります。
■起こったこと~スカウト~
3ヶ月間で約80件のスカウトが届きました。具体的には以下のような具合です。
①ゼネコン・サブコン業界での現場代理人
②製造業でのプラント設計または保全
③太陽光発電設備の管理者
④人材マッチング企業からの面談依頼
(④を通して約30社の求人を紹介いただきましたがそれは含めていません。)
色々あったのでまたこれから綴ります。
今回④について詳しく。いわゆるリクナビみたいな企業のエージェントとオンラインでお話しすることになりました。ここでは私の状況をエージェントにヒアリングしていただいて「では後日お勧めしたい企業を紹介いたします」ということで終わりました。そこで後日、意外な企業を紹介されます。
■出会い~予想外の相手~
紹介されたのは関東にある創業10年未満のベンチャー企業。大手メーカーから独立したエンジニアたちが独自の機械学習技術を基盤にビジネスを起こし成長しているとのこと。調べてみるとGoogleのカンファレンスで登壇する程、高度な技術を有している企業。「なんでこんなめっちゃ難しいことやってる企業を自分に?!プログラミングなんてほとんどできないよ?!」というのが第一印象。しかしよく聞くと納得。理由は、その独自技術を社会に実装するには、現場で電気設備のエンジニアが対応する必要があるからでした。私のように電気設備の設計やメンテナンスの経験がある人材を求めているとのこと。ちょうど自分がAIやIoT技術に触れることをせずに時代遅れになっていくことへの焦燥感があったため、「自分の技術を流用しながら次世代技術に触れられる希望通りの企業だ!」と考え審査を受けることにしました。
■審査~初めてのZoom面談~
審査はZoom面談のみでした。時代も変わっていくな。ちなみに面談を受ける前に履歴書と職務経歴書を送付したのですが、写真はTシャツにジャケットという攻めたスタイルでした。しかし書類審査を通過することになります。
面談は2・3度実施されました。回を重ねるごとに偉い人とお話しすることになり、最終的に代表の方に面談していただきました。面談の内容としては、先方から技術的または私の価値観についての質問を受け回答するというものでした。私は一方的に面談を受けることが不安だったので、先方が求めている技術要件に合致しているかを確認するため、私が現職の業務で作成した停電点検の手順書や設計図などをZoom上で共有し説明しました。これを通じて先方が求めている素養と乖離していないことが確認できたので安心しました。素敵だったのが、代表の方が「この面談は弊社が一方的にあなたを審査する場ではない。あくまであなたにも我々を審査していただいて見極めてほしい。お互いに評価し合ってマッチングを図りたい」という言葉をいただいたことでした。今まで大手企業の面接しか受けてこなかった私は、こんなにも真摯的な面談を受けたことがありませんでした。加えて面談のなかで終始感じたのは、企業と従業員をフェアに扱っているということです。柔軟で自由、公平、効率的、とにかく今までにないくらい爽快で気持ちの良い組織だと感じました。「ここに入社して組織を大きくしたい。」そう考えました。
■結果~合格。しかし~
結果、合格をいただきました。
しかしその後、私は内定を辞退することにします。理由は関東への転居が難しかったからです。そんなの最初から決めとけよという話ですが。本当に先方には申し訳ないことをしました。最初は転居に支障はないと考えていたのですが、私生活で色々と支障が出てくることが分かり、入社を断念することにしました。
■今回得たこと~自分の市場価値~
今回の活動を通じて以下のことに気付けました。
1.他社でも活かせる汎用性のあるスキルが自分にもあることに気付けたこと。
2.ベンチャー企業の中には既存の大手企業よりも何倍も素敵な企業があり、すごく魅力的な人たちが働いていること。
3.先端テクノロジーの素養があまりなくてもそういった分野への窓口はあること。
4.ゼネコン分野の他に特に製造業の電気設備エンジニア需要が高いこと。
5.30代後半の大学職員にも声をかけてくれる魅力的な企業が多く存在すること。
■これから~どうするか~
いまも転職活動を継続しています。勤務地についてある程度の縛りがあるため、選択肢はだいぶ減りましたが。現在はあるメーカーの審査を受けているところで、次が最終面談です。これについては次回綴ります。その他にも複数のエージェントや企業の担当者とお話しするなかで勉強になったことが多くありました。それについてもこれから綴ろうと考えていますので、また覗きに来てくれると有難いです。
■仕事に飽きている方へ~よそ見したっていい!~
現職に飽きたなんていう動機で転職活動することに罪悪感をもつ人もいるかもしれません。でもそんな必要はないと思います。長く同じ場所にいると別の場所をみたくなることは自然なことです。それに別の場所に居る方々とお話しすることは本当に勉強になりますし、何より自分に選択肢があることを気付かせてもらえるので何だか人生が明るく感じます。もしこれを読んでいる方で何かモヤっとするものを感じている方は是非、別の場所を覗きに行ってみてください。すごく楽しいです!
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