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萎んだ風船

私は人に恵まれている。
出会った人全員、心から尊敬できる。
そして、私が遭難しかけている時、瀕死の時、
こちらからSOSを出す前に、なぜか助けに来てくれる。

本日は職場見学。
たった1時間の見学だったけど、
入ってからたった1分で感じた、
社内の雰囲気。
まず誰とも目が合わない。
案内してくれる人でさえ。
そして挨拶しても返事が返ってこない。
あー、なるほど、こんな感じね。
よしじゃあ、想像してみよう。
もし、ここで働いたとして、
困ったり、ミスしたとして、
うん、誰も助けてくれなそう。
うん、無理そう。
残りの59分で、そんな事を考えていたら、
やる気の風船がどんどん萎んでいった。

帰り道に、ハローワークに寄った。
萎んだ風船を見せて、これ空気入りますか?
困った笑顔のお姉さん。
空気が入りやすいよう、ちょっとだけ伸ばしてもらった。

家に帰り、萎んだ風船を眺める。
これは私のわがままなのか。
今回もマッチング失敗!なだけなのか。
私はあと何回、
ハローワークに行って、
リクルートスーツを着て、
知らない人に自分をアピールすればいいのか。
無事働ける日は来るのか。

萎んだ風船を眺めていたら、
震えるスマホ。
画面には懐かしい友の文字。
一瞬にして緩む涙腺。

小学生の時、地元に転校してきた友達。
家が近所で、毎日一緒に下校した。
家に帰ってまた再集合して、門限までずっと一緒に遊んでた。
中学から同じ部活、同じスポーツチームに入り、
私が一人暮らしを始めるまでずっと一緒に続けた。
友でもライバルでも家族でもある、そんな友達。

え、私に監視カメラついてた?
と疑いながら出ると、
「電話出るの早!
何してたの笑
あ、もう仕事辞めたんだっけ?」
帰省で会えた時には、隅から隅まで近況報告してたので、なんとなくは知ってる友達。
お互いの最近の近況報告をして、
友達は再び仕事に戻るようだったので、
「また会おう。」
と約束して切る。
この「また会おう」は女子のよくある、口約束だけの言葉ではなく、
絶対に実現する方の「会おう」だと断言できる。
これは長年の感。

なんて間がいいんだろう。
私はなんて幸せ者なんだろう。
もう毎日会うこともないのに、離れてるのに、
気にかけてもらえるなんて。
愛してもらえるなんて。
やっぱり頑張りたいな。
胸を張って会いたいな。
私を愛してくれる人のために。
あの人たちの自慢になれるように。

そう思うと、萎んだ風船に空気を入れる元気が少し湧いてきた。
明日から、また、
萎んだ風船膨らませチャレンジ、していこうか。

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