大学初めての部屋選び手ほどき―一人暮らしの最適解は「6畳2間」
大学進学にあたって、初めての一人暮らしを始める方もいらっしゃるのではないだろうか。そのような方は、もう不動産の目星はつけただろうか。
もし学生専用の不動産屋を考えているならば、悪いことは言わないので慎重になった方がよい。なぜならば、条件の悪いワンルームを斡旋される危険性を孕むからだ。
初めての家探し。何を見ればいいわからないだろう。その間隙をワンルーム会社は狙っている。私の友人も同じ会社で部屋を借りていたが、私と同様に狭く高いワンルームだった。
とりあえずそういう方は、以下のことを肝に銘じておいてほしいのだ。
不動産業界は学生をナメている
ワンルーム会社は入居者をナメている
ワンルーム会社は低リテラシーの入居者から搾取することを狙っている
おいおい被害妄想かよ、と笑われるかもしれない。
しかし一度引っ越しを経験された方は、このようなキッチンを備えた物件を紹介されたことがないだろうか。
まな板を置くことすらままならないスペース。場合によってはスペースすらないこともある。狭くて浅いシンク。フライパンすら斜めに立てかけなくては入らない。そして一口しかないコンロ。おかずを炒めながら味噌汁を沸かすことすら叶わない。
ナメられているのだ。
ワンルームに限ってこういうキッチンなのだ。そして大概脱衣所と廊下を兼ねていがちだ。
そして、こんな猫の額のように狭い部屋に月6万以上もせびられた日には、不動産屋に火を放ちたくなる。
しかし内見の経験がないと、ナメられていることに気付けないことも多い。そんなお人よしの大学生の最適解がこれだ。
6畳二間の2DK
団地に住む友人宅に遊びに言った経験がある方ならば、この間取りは見覚えがあるかもしれない。
玄関を入るとすぐ脇にキッチンがあり、そこを通って2つの和室がある。伝統的な日本の賃貸の間取りだ。
こういう物件にはメリットが沢山ある。具体的に言えば―
広い
家賃が安い
家具の設置で融通が利く
キッチンが広く、料理しやすい
モノを置くスペースが豊富にある。
洗濯物を部屋干し(大学生の常套手段)しやすい
友達を呼ぶと盛り上がりやすい
異性との情事に誘導しやすい
メリットが沢山あるというより、住居に備えていて当然の機能が十分に備えられていると形容した方が適当だろうか。いずれにせよ、この最低限の機能をワンルームは備えていないことが多い。
初めての不動産屋さんは、免許番号(4)以上のところを選び、こう伝えるのが正解だ。
「6畳二間でいいので、キッチンの広い物件を紹介してください!」
6畳二間のデメリットと対策
勿論デメリットもあるが、工夫次第で解決できるので、その具体例を幾つか見ていこう。
鉄筋コンクリートでない
大学生は友達と騒いでナンボ、楽器を弾いてナンボである。しかし6畳二間の古き良き賃貸物件は鉄筋コンクリートでない物件も多い。
解決方法は単純で鉄筋コンクリート造の物件でと注文すればよいだけだ。現に鉄筋コンクリート造でも古き良き6畳二間はあまり表面的な人気が薄いため、安く手に入れられることが多い。逆に鉄筋コンクリートではないが6畳よりも部屋が広い場合もある。
洋室がない
6畳二間のうち1部屋が洋室の場合、少し家賃が高くなる傾向がある。洋室の方が人気だからだ。
これの何が問題なの?と思われるかもしれないが、大学生には特有の問題を引き起こす可能性があるのだ。
大学生は自堕落なものなので、布団を引きっぱなしにしておくだろう。そのような環境だと地べたに座りながらものを食べる習慣が出来てしまい、すぐに汚部屋に堕ちてしまう危険性がある。
対策としては、ダイニングキッチン(DK)の部屋に食事用の机を設置することだ。そうすれば食事関連の物置としても使え、より料理の勝手が良くなる。
また二間のうちの一部屋を洋室にしている物件を借りる手もあるが、こだわりがないのであればあまりお勧めはしない。先述した通り洋室を含む物件は高くなりがちなので、安定した収入を持たない大学生ならば余計な負担になってしまうきらいがあるからだ。
ワンルームのデメリットは甚大だ
上述したようなデメリットはあるものの、ワンルームのそれと比べればどれも解決しやすい問題ばかりだ。一方で、ワンルームのデメリットはそもそも物件そのもののデメリットと切り離せないことが多く、容易く解決できないことがほとんどだ。具体的には、
そもそも狭い物件が多い
キッチンがクソみたいに狭い
家賃が高い
動線が確保されておらず、家具設置の融通が利かない
鉄筋コンクリートでない物件もある
建設会社や不動産会社の良心と配慮が欠如している
バストイレが同じ物件も多い
部屋干しすると手狭
といったものがある。これを多少の個人の努力で解決することは困難だ。
そして、この問題の解決が図られた物件がある。SuumoやAthomeを見ていると、このような間取りを目にしたことがないだろうか?
そう。6畳二間をリノベーションし、大きな一部屋に統合したのである。古き良き6畳二間が存在していたおかげで、広く快適なワンルームをこしらえることが可能になったのだ。
この広さを見ると、8畳前後のワンルームがいかに狭く、健康で文化的な最低限度の生活環境を下回っているかがわかるというものだろう。
この記事を読まれた幸運な諸子は、ワンルームと6畳二間の二者択一を迫られたとき、迷いなく伝えてほしい。
6畳二間です、と。