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【提案】大学卒業後1年間「研修学校」に無料で通いつつ就活するシステムにしてはどうか

 近年、就活早期化が問題視され始めて久しい。学生は2年間就活に気を取られ、学業を深めることに集中できない。
 他方で各企業は、大学がビジネススキルを磨かないことに長々と愚痴を言い続けてきた。そして自分たちの経費を使ってビジネスパーソンに育て上げることについては拒否しているのである。
 そこで私から提案がある。新卒は一年間、研修学校に通いながら就活をするシステムにするのだ。

研修学校

 この研修学校は公立ではなく専門学校と同様に営利企業が運営する形態で良いだろう。表題では無料と述べたが、そのフレームワークについては後述する。ここでは、このシステムにしたときのメリットを考えてみたいと思う。

就活早期化を防げ、学業にも就活にも専念できる

 就活早期化によって、学業に集中できない問題を解決できるだろう。また、一年間就活に集中することで、就職活動自体のパフォーマンスの向上も見込める。

研修費用を効率化し、節約できる

 研修と言っても基礎的なビジネスマナーなどは殆どの会社員が習わされるものだ。であれば、一社一社別々に行うよりも集約した方が安上がりだ。
 また各コンサルティングファームは主要商品として研修を扱っており、この営業があると聞く。
 大学がビジネススキルを訓練しないことを嘆いている企業があるが、企業の責任外で研修をすることでコストカットにもなるだろう。その上、ある程度研修が済んでから働き始めるので、採用すればすぐに戦力になりうる。

専門の営業が、新卒1人1人を営業してくれる

 無料にするといったが、この研修代は内定が決まった企業から成功報酬として支払われる。新卒エージェントと同じフレームワークだ。
 こうすることで研修学校は他の学校よりも充実した研修を施そうと競争することになる上、自分が育て上げた学生のスキルや強みを把握している。その点を熱心に専門の営業が営業をかけてくれるので、企業も内定に積極的にさせられるのではないだろうか。

学部による職種の限定を打破できる

 現在の就活において、文系学生は営業、理系学生は研究開発職、というように学部によって進む職種が決まっており、この職種とは別の働き方を模索する就活生は冷遇される。
 研修学校システムに転換すれば、例えば文系学生であってもデザイナー養成コースなどを選択できる。こうすることによって、就活生がより就職したい職種に就ける蓋然性が上がる上、モチベーションの高い学生を採用できるようになる見込みが高いだろう。

既卒やブランクのある社会人に再起の機会を提供できる

 新卒学生とは一転して、既卒の人間は非常に就職活動に苦慮する傾向がみられる。
 このような学校があれば、スタートダッシュに差がつかない。
 また、ブラック企業に入ってしまい早期に離職したような人は、再度研修学校に通うことで同じ土俵にまた立つことが出来る。何度転んでも起き上がれる社会に近づけるのだ。

 現在の就職活動は学生の劣位が甚だしく、学生の消耗が大きい。研修学校の整備によって、大学時代に影を落とす就活のストレスを軽減できるだろう。
 このシステムは勝手に民間企業一社が始めても成功しないと思われる。国家規模で導入しなければ定着しないだろう。
 まずはこの記事から議論を始め、ゆくゆくは国家規模での議論に拡大させたいと考えている。ご指摘等があれば遠慮なく教えて頂きたい。

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