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ケシの花(短編ひとり語り)
赤く咲くのは、ケシの花。白く咲くのはユリの花。どう咲きゃいいのさ、この私。夢は夜開く。
言わずと知れたこの歌詞。え?ご存知ないですか?ググッて見たら出て来ますよ。ご存知の方は、私の母と同世代の方でしょうね。
私、小学生の頃、母にえらい剣幕で言われたことがあります。
「あんたは、ケシの花よ!」
(え?え?お母さん、何言ってんの?)
当然ですよね。小学生ですから、意味が分かりません。ただ、わかったのは、母が私を、なんていうか、強くなじった感じがあって、その口調に私がショックを受けたという事実だけです。
ある時、思い切って母に聞いてみたこともありました。私がケシの花って、どういう意味だったのって。
「あぁ、それは、あんた7月3日生まれでしょ。誕生花がケシの花だからだよ」
あっさり、それがどうしたの?ってな感じでそう言ったんですけど、変じゃありません?だったら、あの時あんな叱りつけるような口調はなんだったのって思いますよね?
私、当時、ケシの花ってどういうものだろうって調べたんですよね。そしたら、ケシは種類によってはアヘンの材料になる危険な植物で、栽培が禁止されてるものだったことを知りました。イギリスが中国に仕掛けたアヘン戦争のアヘンです。それで、私は危険人物なの?邪魔なのっ?て発想が勝手に飛んでいって。ならば、そうなってやる!って、家に寄り付かず、遊び惚ける時期もありました。でも、そうなるまでに、両親が共働きで家に帰るのが遅かったから、幼い妹の面倒を見てましたよ。ようやく、妹の手がかからなくなってからは、勝手に出歩いてました。楽しかったですね。だから、ケシの花のことも、いつしか忘れてました。
この歌詞に出会ったのは最近です。歌っているのは、宇多田さんのお母さんです。赤く咲くケシの花は、ひなげし(別名:虞美人草)という栽培OKの花なんですね。ある歌では、丘の上で、来る来ない帰らない帰るのと、少女が花占いの花にしています。乙女の象徴ですね。ユリは、いい香りがします。歩く姿はユリの花。淑女を象徴してます。
母は高校教師をしてました。結婚後も、私を産んでからも続けてました。やめたのは、父が飲食店を始めて、手伝うためにです。その決断に迷った時期だったのかもしれません。
親なんです。でも、それをも忘れるくらい夜な夜な迷って、いらついていた一人の女があそこにいたんだと思います。
(あんたはケシの花でいいんだよ。この私は?どう咲きゃいいんだ)って。
私も親ですから。ようやく理解できるようになりました。
聴いていただき、ありがとうございました。 (かしこ)
って柄じゃないけどw
ひなげし
花言葉 感謝
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