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リストラーズ「待つわ」の横顔
リストラーズの楽曲って、なんか心地いいんだよね
以上。
あれこれ考えるのも楽しいけれど、突き詰めると結局、好きな理由はそんなことだったりする。まぁ、そうすると、noteを書く必要性がなくなってしまうのだが、「なんか好き」とか「とにかくカッコいい!」とか、理屈抜きで湧いてくる感情がパワーの源だったりする。
今回は、思考がとっちらかっているうえに、いつも以上に個人の趣味嗜好に偏った内容なので、そういうのが苦手な人はスルーでお願いします。
心地よくて好きな曲のひとつ、「待つわ」。
明るさと暗さが入り混じる曲。やや影のある内容の歌詞に対して、サビの明るい雰囲気は、無理して明るく振る舞っているようでもあり、もはや達観して強かに生きていく意思を示してしているようでもあり、なんだか切ない。
その歌詞や曲調から、若い女性が本気で歌うと、リアルというか、生々しい。本家は素敵だけれど、私にはちょっと重いかも…。リスさんの場合、男性が歌っているせいか、どこか物語的というか、リアルが少し緩和されるので、あまりネガティブな気持ちにならずに楽曲を楽しむことができる。
しかし、緩和されているとは言え、女性の複雑な気持ちを雰囲気そのままに、男性2人で表現しているのはすごい。
リードボーカルの野村さんの穏やかながらも凛とした強さのある歌声に、加藤さんの囁くような優しい声が重なり、2人の響きが溶け合う。
正確に淡々と繰り返しのリズムを刻む上村さんと、静かに抑えめのベースを奏でる大西さん。
綺麗な高音でさりげなくアクセントを付ける草野さんと、深く響く低音でドラマチックな演出をする澤田さん。
皆さん音のトーンを合わせるというか、全体的に少し淡い音で歌っているので、ハモると音が融合し、ふんわりと一体化した音になる。その一体化した音に包み込まれる感じが心地よい。
サビで「待つわ〜」と2人の男性から手を差し伸べられると、一瞬、我に返る。
スーツ姿のサラリーマン2人が、女性デュオの片思いの曲をしっとり歌う姿って不思議だよなぁ…
まぁ、素敵だからいいのだけれど。しかし、男性グループなのに、女性らしい曲を女性らしさを失わず歌えるメンバーが2人もいるって結構特異なんじゃないか。
ところで、「待つわ」は動画の画面構成や演出がお気に入りだ。
野村さんと加藤さんが揺れながら歌っていたり、向き合ったり、手を差し伸べたりする姿もいい。
間奏で全メンバーが並んで歌う、縦長の画面構成も好き。
そして、全員の横顔。
これが非常に良き。個人の趣味で恐縮だが、もともと人の「横顔」が好きなのだ。例えば、自分の子どもでも、何かに夢中になっている横顔につい見入ってしまう時がある。男女・年齢問わず、何かに集中していたり、気を取られている姿に魅力を感じる。
普段まじまじと見ることのない横顔を見ると、違う一面を見たようでドキッとしてしまうのかもしれない。
そんな「歌っている横顔」を全員まとめて見られるなんて(私的には)最高。並んだ構図もいいし、向き合っているのもいい。
額から鼻、口、顎、喉へのライン。耳とか頭の形とか。正面だと顔の各パーツの奥行きや立体感はわかりにくいが、横顔はそうした顔の立体感を感じられるのがいいのかもしれない。
この鼻、口、喉の奥にある空間で「音」が生み出されていることを考えたりもする。咽頭腔は低音、口腔は中音、鼻腔は高音を響かせるのに重要らしい。横顔に、各メンバーの得意な音域の音を思う。
「待つわ」は振り向いてもらえない片思いの歌だから、視聴者が「こちらを見ていない横顔」を見つめることになる演出はある意味、合っているのかも。
そんなワケ?で、いいなと思うリスさんの横顔のスケッチを貼ってみる。アート作品ではなく、記事の図表の類いということで…
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