見出し画像

リストラーズ「赤鬼と青鬼のタンゴ」の思い出

気づいたら秋。落ち葉が舞いはじめ、先日、見上げた夜空にはだいぶ丸くなった月。そんなイメージにピッタリな曲が「赤鬼と青鬼のタンゴ」だ。

子どもの頃「みんなのうた」が大好きで、「赤鬼と青鬼のタンゴ」もお気に入りのひとつだった。他にも「メトロポリタン美術館」とか「まっくら森の歌」とか「北風小僧の寒太郎」とか大好きな歌がたくさんある。楽しい歌から、子どもにはちょっとドキドキする歌、時には大人向けみたいな歌まで、子どもに対して本気のラインナップだ。

子どもの時は気にしていなかったけれど、演歌やポップスなどの大物の歌手が歌っていた歌も多い。当然、歌は上質で、子どもにとっては「本物の歌の世界」を知る貴重な機会だったと思う。

もうひとつ「みんなのうた」の良いところは、アニメーションも素晴らしいこと。まるで「歌の絵本」。歌の世界にピッタリなアニメーションが、こどもの心に歌を深く印象付けてくれた。

大人になった今でもふと、夜の美術館ではミイラが踊ったり、遠い山奥では鬼が踊ってるんじゃないかと空想したりする。

そんな思い出の「赤鬼と青鬼のタンゴ」をリストラーズがアカペラでカバーというのは、ちょっと衝撃だった。私は昭和歌謡には疎くて、特別な思い入れがあるような曲はほとんどなく、いつも気軽な気持ちで視聴していたところがある。でも「赤鬼と青鬼のタンゴ」は大切な思い出の曲で、自分がファンの歌手のカバーを聴くのは緊張するのと同じような気持ちで聴いてしまった。(だってサムネは「鬼滅の刃」風だし…)

イントロの「あ〜あああ〜♪」は、緊張しつつも、懐かしい気持ちが湧き上がる。
「これよ、これ!」
そして、イントロの再現度に驚く。

本家のアニメーションの世界観がある緊張感の中、振り返る澤田さんで一気にリスさんの世界観に引き込まれる。このお顔は鬼のつもりなのかな?とか、いつにもまして寝グセが(ツノ?)とか、じっくり考えるヒマもなく、「ふぅ〜♪」のウサギのコーラス。

「ふぅ〜♪」で飛び出す上段のお三方の、スクワット的な運動量とスピード感に笑ってしまうけど、ウサギが見えた。こちらは本家のイメージなのね。本家は女性のコーラスだけど、リスさんはそういうのをいつも超越するというか、違和感がない不思議。ウサギも。

澤田さんの歌声は、本家のイメージを大事にしつつも、ややマイルドな感じ。出だしのちょっととぼけた感じ、演歌風の歌い方、タンゴ風の歌い方と、さりげなく歌い分ける。これ、雰囲気をきちんと出して歌おうとすると難しいのでは?澤田さんはいつもさりげなく、そつなくこなす。

「心浮かれて〜♪」からの顔の変化。澤田さんはいつもお顔が全力だ。草野さんの笑顔も可愛い。そして2人で踊り出す。タテ揺れでリズムをとるのは本家の鬼さんを思い出す。鬼さんたちは笑顔でも、他のメンバーは真顔なのはリスさんらしい演出。本家とリスさんの世界観の融合。

そして、おふたりがタンゴを踊る姿を見て、リスさんたちに本家と同様の本気を感じた。

「ああ 夜は今〜 夢ごこち〜♪」
「タンゴのオオオ⤴️オオオオ⤵️〜 rリ  ズ  ム!」

最後まで来て、
あ、だから澤田さんリードなのか!
と、納得。
ここが一番、澤田さんの響きを堪能できる好きなフレーズ。原曲ではウサギさんが宙に浮くけど、リスさんは澤田さんが近づいてくる!

最初はドキドキしながら聴いた思い出の歌は、いつも通り納得して終了。今ではリスさんのカバーの中でもお気に入りの楽曲のひとつだ。

こんな成功体験をしてしまうと、リスさんにはまた「みんなのうた」シリーズをやってもらいたくなるけど、他にも特撮とかアニメとかシリーズがあるし、色々リクエストあるだろうし、難しいだろうなぁ。


というワケ?で、リスさんの世界観に本家の世界観をちょっとだけプラスして。やっぱりお月様がないと…

リストラーズ「赤鬼と青鬼のタンゴ」絵本風

追記
私の画力では、月夜でサラリーマンが踊っている様子は不審者感?が出てしまい(リスさんに非はありません)、世界観を補強するためツノとウサ耳を付けました(なんかすみません)。

実際の「赤鬼と青鬼のタンゴ」アニメーションを制作された、ひこねのりおさんのアニメ制作裏話がとても素敵なので(絵コンテあり!)、よかったらどうぞ。

#リストラーズ #みんなのうた


いいなと思ったら応援しよう!