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NO.5 20頭から始まった放牧豚

日本全国の中で養豚場は3000軒ちょっとの養豚家がいます。その中でもおそらく放牧豚という野に放つ、山で肥育、土壌の上で育てるというのは1%にも満たないと思います。
なおかつ、基本的には放牧養豚は頭数が極端に少ないです。
僕が見にいった大きなところでも1000頭程度です。(総数)
本来は5万頭なんて所もザラにある養豚業界。

少ない頭数でどうやって収支を上げているのか?という疑問も最初はありましたが、そんな不安よりも少しずつ出来上がっていく豚舎や牧場に嬉しくなっていた。

まさに赤字補填ありきの事業のスタート!

自給自足のように山から木を切り出し、豚舎を作り、いただいた端材で枠を組んだり、ちょっとしたものなら作れるようになりました。

そんな中で、試験的に20頭の生後2ヶ月から3ヶ月齢の子豚を仕入れる事に決めました。
海外飼料を買うことは最初から考えておらず、地域の副産物を与えて成長させていく方がよっぽど効率的で費用もかからずに育てられること。
放牧ならではのことをしたかった。
特色というよりは、地域の植物性の副産物から動物性に変わるというところに当初ピンときて始まった空でした。



トラックで運ばれてきた子豚
初めて陽の光を浴び、これから外で育てられる。

この日から毎日の日課が始まった。
朝・夕のごはんをあげる事、水を管理し給水、餌の補給(数社に軽トラで回収)が主な業務。
この他に、マルカフーズの食肉加工、販売管理、打ち合わせ、取材など様々な業務が毎日イレギュラーに入ってきた。笑
朝ご飯は基本的には隣の米飯製炭所さんの大橋さんが担当してくれて、本当に助かった。大橋さんが居なかったら多分抜け殻になっていたし、ここまで楽しくできなかった気がする。

結構なハードな日々を体験し、生き物を飼うということ、育て上げるということ。
犬・猫も同様に考えることが一つ増えるだけで本当に大変だと思った。
この経験からか、犬や猫を飼いたいと全く思わなくなった。笑
友達の家に飼っている方が多いので、飼っている気分にさせてもらうこととした。

そして、農家に休みなしとはこの事か?と思うほどのスケジュール管理。

月曜・木曜・土曜と週三日間の餌の回収、何か起きた時のトラブル、何よりも優先しなければならないことばかりだった。
僕は農作物などが出る5月から11月程度の期間に副産物で育てるという方針のもとだったので、加工など終わる12月末からはマルカフーズの事業に専念できた時はより必死にやるようにした。

もちろん、赤字を補填しなければの思いが一番強かった。


豚をおろす作業。
怖いのか出ようとしないので結構な汗だく作業。

この日から放牧豚記念日が始まった。

たくさんの人が集まってくれたおかげで、
すばしっこい豚ちゃんも広い大地に逃げても捕まえられた。笑
先輩たちのタックルをかまして捕まえてくれたラグビー部の方々の活躍は素晴らしいと感じた。(数名元ラグビー部)




NO6に続く

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