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ろくでなし。に成らなかった『宿六』の人手不足への思い~人財教育のススメ~

宿六とは。

温泉旅館の経営者の事を指します。古来より旅館経営は、女将さん、板長さん、番頭さん、仲居頭さん、風呂番さんの5人がいればお店がまわると言われてきました。つまり、宿の主人は6番目で良い。という意味合いから宿六という言葉が生れたそうです。「ろくでなし」とは、6番目でもない宿屋のオヤジのことを指すそうです。
現在50歳。宿屋の6番目のポジションをしっかり守りつつ、旅館経営に携わっております。

運営施設
和歌の浦温泉萬波 MANPA REORT 日本スタイル
和歌山市新和歌浦2-10
(TEL)073-444-1161 https://www.manpa.co.jp

紀州温泉ありがとうの湯 漁火の宿シーサイド観潮
和歌山市田野82
(TEL)073-444-0111 https://www.kancho.co.jp

『人手不足』という言葉に踊らされないコト。

 「人手が足りない」「人手が欲しい!」みなさんも、現場でよく耳にする言葉かと思います。ワタシはこの言葉を聞くと、『果たしてそうだろうか。』という懐疑的観点から入ってしまうクセがあります。
 ろくでなし。に成らなかった『宿六』の温泉旅館再生物語。~和歌山県和歌の浦~に、私の苦労バナシを書いておりますので、ご覧になられた方はご存知かもしれないですが、旅館に帰ってきた当時がイチバンの『人手不足』でしたので、その頃と比べてみると充分に人手・・・と言いますか、『人財』は足りているように思えてしまうのも、懐疑的観点から見てしまうクセの原因かもしれません。

なんでも一人でこなした若手の頃のハナシ。

 旅館に戻ってきた頃は、私が幼い頃から働いてくれていたスタッフが多数。高年齢化も著しく、頼りにできない方々達。。。フロントから始まり、皿洗いからバスの送迎まで、年間休日3日くらいの生活を続けておりました。長男の幼稚園の運動会も、最後の親子体操の競技だけ送迎の途中に会場に立ち寄り、参加するような働き方をしていました。当時は、シーサイド観潮のみの運営でしたが、夏場になるとプールサイドのバーベキューレストランの仕事もプラスされ、まさに『貧乏ヒマ無し!』の生活を送っていたあの頃の笑い話をひとつ。BBQレストランでは、サントリーさんから支給された【黄色いモルツのエプロン】とジーパンを履いて仕事をしていたのですが、お客様からのクレームをその姿でお受けしてしまい。。。「オマエ、バイトか!?オマエじゃハナシにならん!!上のヤツをすぐ呼んで来い!!」と言われてしまい、どうしようかとは思ったのですが、私しか居りませんので【すぐにスーツに着替え】て、お客様の元に。「いかがされましたでしょうか。」とお伺いしたトコロ、「さっきのヤツやないかい!」と笑って許してくれたコトがありました。

サントリーモルツエプロン

若者が若者を呼び寄せる採用術

 そんな経営状況でしたから、どうしても【若手スタッフ】を採用したかった。和歌の浦温泉萬波の運営がスタートする少し前から、若者のスタッフ採用が少しずつ成功するようになっていきました。最初は、少し定員オーバーするくらいでも、1人でも多くの若いスタッフの募集に取り組み、新卒採用についても、その手法で取り組んだところ年々念願の若手スタッフが増えていくようになりました。若者が働く職場は若者がたくさん在籍しているのです!10代後半、20代前半の女性をターゲットにし募集を続けているのは今も変わりありません。女性は、本能的に出産や育児、教育のコトを頭のどこかに持っているのでは無かろうかと私は推測しています。その理由は、男性に比べてテキパキとスグに【活躍】していく様子を目の当たりにしてきたからです。私はスタッフに「一生ウチに居なくて良いよ。」「ウチでたくさんの経験を積んで、次のステップに行ってくれてOK!」と伝えています。(本心は、ずっとウチに居て欲しいのですが・・・。モチロン、ずっと働きたい!と愛社精神の強いスタッフさんも実在しています。)

たくさんの若者が集う職場になってきました。

卒業(退職)しても活躍するスタッフさん達

 先日、業界の会合で同じエリアのお宿にお邪魔した時のおハナシです。「社長~!」と呼び止める声の主は、弊社を退職したスタッフでした。彼女は、中学生の時に職業訓練でウチに来た経験から高校卒業時に新卒社員として入社してくれた方。出産の機会に離職してしまいましたが、接客・旅館が好きなのでしょう。他社の温泉旅館で働いていたのです。ウチに戻ってくれば良かったのに・・・と思いつつ、業界の後輩が頑張っている旅館なので、それはそれで助けてあげて欲しいので、「力になってあげてね。」とお話しました。「何かあったら力になるで~。もどっておいでや~」とヒトコト添えつつ・・・。
 そんな彼女から嬉しいお言葉を頂きました。「新入社員で、辛いコトやしんどいコトがあったけど、あの経験があったからココで頑張れています!」「最近の若い子は、スグに辞めちゃうけど、もったいないなぁ。と思うんですよね。」メチャメチャ嬉しかったし、成長してるなぁ~。と感心しました。
 ウチの教育理念は「カッコいい大人になる」です。学校では教えてくれない礼儀作法や立ち居振る舞い、言葉づかいを中心に教育しています。卒業(退職)して、履歴書にウチの社名を自信を持って書いて欲しいので、カッコいい大人になるための教育をできるだけ、しっかり教えていきたいと考えています。
 そんな理念が実現していたのだと思うと、心から嬉しく思います。


後輩のお宿で記念に写真を撮ってもらいました

『カッコいい大人スタッフ』のお話

 ASKAさんという女性スタッフが在籍しています。高校卒業後、新卒社員で入社してくれました。社内恋愛で結婚し、出産のため休職。お子さんを保育園に預けることが出来るようになったため、復職して頑張ってくれています。
 子育てママで奮闘してくれているASKAさん。後輩スタッフの指導がホントにかっこいいんです!なかなか実践してくれないスタッフに対して「どう伝えたらできるようになりますか?(やってくれますか?)」や、「あなたの成長を思ってお伝えしてます。感情的な言葉になってゴメンね。(少し厳しい意見で後輩を指導した際に)」と、相手を思いやりながら、行動を促す様子に「子育てが活きていますね。いい指導だと思いますよ。」とお伝えしました。
(弊社ではchatworkというコミュニケーションツールを使用しています。そのグループチャットで指導していた内容を掲載しました。)

 
このように一人でも多くの『カッコいい大人』スタッフが誕生するように仕事に従事することは本当に楽しいコトだとつくづく思います!

子育てママも活躍できる職場です


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