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じいちゃんの死

小6の時、じいちゃんが死んだ。

その日、夜中に家族に叩き起こされて、病院へ向かった。
夜中に叩き起こされて病院へ向かう、の時点で察することができたはずだけど、のんきな私は何なのか分かっておらず、当時小田和正にはまっており病院に向かっている最中の車で「言葉にできない」を熱唱していた。

病院に着いて、じいちゃんの病室に向かった。それまでじいちゃんにつけられていた酸素マスクをばあちゃんが外した。なんで外した?と思った。その時にやっと、ああ、死んじゃったんだ、と理解した。

それからはお通夜やらお葬式やらがあり大変だった。
いとこはまだ小学生なのに喪服のスーツを買ってもらっていて着ていた。私は安い店で買ってもらった黒い服の寄せ集めを着ていた。差を感じた。交わることのない違う世界線で生きている人のように感じた。

火葬場で、いよいよじいちゃんが火葬されるとなった時、今まで泣いていなかったばあちゃんが、声を出して泣き始めた。
私はその時、火葬されるときに声を出して泣けるほど好きになった人と将来結婚したいと思った。

お葬式は父が喪主を務めた。父にとっては実の父親であるじいちゃんが亡くなったけど、一切涙を見せなかった。強くてかっこいいなと思った。私もそれくらい強く生きたいと思った。

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あれからもう何年も経つけど、いろいろと思うことがあった出来事で今でも鮮明に覚えてるので文章にしてみました。


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