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練習せずにプロになれるか|英会話学習方法
野球やサッカーのプロ選手、
歌手やピアニスト等のプロ音楽家、
バレリーナやダンサー等のプロ、
そういう様々な分野のプロの人達に、
「練習せずになる」
ことができるだろうか。
野球の大谷選手が毎日のように練習を積み重ねていなければ、
それほど成功できただろうか。
ヨーロッパで活躍するプロのサッカー選手達も、
毎日練習せずに成功できただろうか。
ピアノが上手に弾けるようになりたい、
という人が自分でピアノにタッチせずに、
先生の話を聞いたり
参考書を読んだりするだけで、
上手に弾けるようになるだろうか。
「何をバカなことを言っているのだ、
そんなこと無理に決まっているだろう」
と思っただろうか。
もちろん、
それは無理だ。
しかしながら、
なぜか英会話学習者の人達には
そういう人達が大勢いるのに驚く。
ようは、
たいていの初心者は、
知識があれば話せるようになると
信じ込んでいるようだ。
英会話スクール等で、
先生の話を聞けば
テキストを読んだりすれば、
英語が話せるようになると、
本気で思っている人が多い。
しかし実際には、
その知識を使って毎日のように「練習」をして、
初めて会話ができるようになる。
当たり前のことだよね。
日本語と英語を比較すると、
文章の構造、
特に語順が異なる、
発音が異なる、
リズムが異なる、
さらに、
日本語を話すのに必要な顔の筋肉と、
英語を話す時に必要な顔の筋肉が異なる、
ということもあり、
いくら文法、発音、単語等
知識を持っているというだけで、
反復練習をしないかぎりは
英語を話せるようにはならない。
英語ネイティブの人達は、
生まれる時、
場合によっては生まれる前からでも、
英語に取り囲まれた生活をしていて、
一年中朝から晩まで英語で生活をしている。
そしてそれは一生続いていく。
このような英語ネイティブの人達は、
言わば英語のプロとも言えるだろう。
そこで日本人の初心者が
ちょっとやそっとの知識を詰め込むだけに囚われ、
練習をおろそかにしていると、
当然ついていけないという状態に陥る。
仮に一つの単語やフレーズを覚えたとしても、
反復練習しなければ、
数日間ですぐに忘れてしまう。
それが普通だ。
自分だけは特別記憶力がないんです、
と言う人もたくさんいるけど、
記憶力の問題ではなく、
どれだけ練習したのかが問題だ。
反復練習することで
はじめて記憶が定着する。
文法さえ知っていれば
話せるようになるはずだから、
もっと文法を詳しく教えてほしい、
という人もいるけど、
これも文法の問題ではなく、
練習したのかしないのかが問題だ。
米国では、
学習方法についての大規模な調査が行われた結果、
世界中の学生達が誤解している学習方法として、
ひたすらインプットをしようとしていることが、
非効率的な学習につながっているとのことだ。
逆に効率的な学習方法というのは、
反復練習を行う、
テキストを見ないで白紙に記述する、
声に出して言う、
他の人に説明する、
といった、
「アウトプット」が非常に重要とのことだ。
冒頭で書いたように、
スポーツ、音楽、芸術活動等においても、
日々反復練習を積み重ねることで、
技術が向上していく、
というのが当然の話だ。
英語の発音や文法も、
何度も口に出すことで記憶が定着し、
文法や語順も含めたフレーズを言えるようになり、
顔の筋肉も、英語のための筋肉が鍛えられて、
いつでもパッと英語で話すことができるようになる。
実際に流暢に英語を話せる人達は、
それだけの反復練習を行うことで、
スムーズな英会話ができるようになっており、
そういう道理には例外はない。
反復練習というハードルを克服したものが、
英会話というスキルを習得できる。
英会話の練習方法についても、
「練習相手がいなくては無理です」
という人達も多いけど、
実際には自分ひとりでいるときに、
音読練習をするだけでもかなり向上できる。
自分ひとりで練習をしないうちから、
相手だけを求めていても、
練習せずに試合ばかりしようとするようなものだ。
サッカー選手が自分の個人技を磨くことなく、
試合ばかりでても意味がないし、
周辺の人達もそのような人はサポートしないだろう。
普段から自分の技術向上のための練習をした上で、
練習試合に臨むことが具体的な技術向上につながる。
一番単純でわかりやすく、
効果の高い英会話の練習方法というのは、
「音読」だ。
仮に一つのフレーズを覚える、
もしくはいつでも言えるように訓練するということは、
同じフレーズを100回以上声に出すことだ。
30回以下ではほとんど効果がない。
100回反復というと
大変そうに聞こえるかもしれないが、
実際にやってみると
約2分間程度だ。
その2分間にチャレンジして、
それを次へ次へとフレーズを練習していけば、
次第に口の重さが軽くなっていき、
英語を発声しやすいようになってくる。
英会話を習得したいと思う人は、
ピアノが上手になりたいと思う人と同じく反復練習するつもりで、
ぜひ取り組んでみてほしい。
声に出すことで記憶が定着しやすく、
英語の音にも敏感になってくるので、
スピーキングだけでなくリスニングにも役立ち、
発音がきれいになる、
覚えたつもりがなくても、
いざという時には勝手に口が喋っている、
そういう成果をイメージして取り組もう。
最後に、
国際的に有名な日本人バレリーナのことも紹介しておこう。
インタビュー時において、
「あなたはこんなに成功しているのに、
なぜまだ毎日のように練習を続けるのですか」
という質問に対して
彼女の答えは以下の通りだ。
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1日練習しなければ、自分が気がつく。
2日練習しなければ、パートナーが気がつく。
3日練習しなければ、聴衆が気がつく。
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世界最高レベルの
プロのバレリーナだからこその言葉だ。
英会話に関しては
既に世界中で話せる人達は大勢いるのが現状なので、
そこまでの高度な練習ではないが、
実際に英会話がうまくなるためには、
インプットした知識を使って、
どれだけ練習したかにかかっている、
ということを理解してほしい。
以上