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救急車が真っ二つ|フィリピン

※写真はAI生成画像なので、実際の状況や記事内容とは関係ありません。

皆さん、こんにちは。
今日はフィリピンでの出来事について紹介する。

日本から近い国でもあり、
たいていの人は知っていると思うけど、
あらためて国の概要から始める。

フィリピン国位置図(Google マップから転載)

国の概要
国名:フィリピン共和国(Republic of the Philippines)
地理:東南アジアの島国で、7,000以上の島から構成
主要地域:ルソン、ビサヤ、ミンダナオ
首都:マニラ(ルソン島に位置)
人口:約1億人(東南アジアでタイ、ベトナムに次ぐ多さ)
公用語:フィリピノ語(タガログ語に基づく)と英語
気候:熱帯気候、乾季と雨季があり、年に20以上の台風が接近または上陸
自然環境:白い砂浜、サンゴ礁、山岳地帯が広がる豊かな自然

日本の公的機関による医療プロジェクトで、
地方病院26箇所に医療機材が送られ、
私はそれらの機材を据付することが仕事だった。

時期も影響すると思うが、
10月頃から翌年1月頃までだったけど、

何しろ台風の数がすごくて、
2ヶ月前に輸出したはずの船が到着していない、
荷物が現地に届いていない、
移動のためのフライトも何度も変更、
といった状況だった。

それでも現地の病院関係者も
明るく楽しくやっているし、
日本人チームも歓迎してくれて楽しかったけど、
台風が何度も何度も来ては問題を起こしてくれた。

ある病院施設には救急車も含まれていたが、
台風で様々な物が飛んでくる状態で、
たまたま他の病院から来ていた古い救急車の上に、
ヤシの木が倒れ来て、
その救急車が真っ二つにつぶれてしまった。

新しく日本から輸送されてきた救急車が
そんなことになっては大変なので、
焦った私は少しでも安全な場所に移動すべく、
施設内から飛び出そうとしたが、
近くにいた人達が驚いて
両脇から私を止めに入った。

いろいろな物が飛んでくるから危ないと
現地の人達は必死で止めてくれた。

日本での台風経験しかない私は、
あまり大きなリスクは感じていなかったけど、
確かによく考えてみると、
現地では粗末な建物も多く、
飛んでくる板切れの数も半端ない状態だ。

病院とはいえ例外ではない。
雨樋は留め金が外れてガンガン揺れていた。

しかし日本から到着したばかりの救急車も大事なので、
わずかに風が収まったところで
やはり私は飛び出して車両を移動させたけど、
屋根付きの立派な駐車場等ないので、
後から考えるとあまり移動した意味もなかった気がする。

それでもやっと台風が過ぎ去った時には、
救急車の無事な姿を見てほっとした。

この病院にたどり着くだけでも
台風の影響や現地側との連絡も何度もとっていたため、
一度何か問題が起きれば、
また次回、ということも有りえない状況だったので、
何とか救急車を守れて
心からほっと安心したよ。

停電時の発電機を設置した小屋は、
格子のついた窓があるだけで、
完全に密閉するような扉ではないため、
強風で雨もじゃんじゃん入ってきた。

発電機自体はある程度の防水仕様とは言っても、
これだけの強風と土砂降りの雨にどこまで耐えられるか、
それも未知数なので、
一緒にいた同僚の技術者とともに、
ずぶ濡れになりながらカバーを被せに行ったのだが、

カバーを被せている間もなく、
今度は小屋の屋根が吹っ飛んだ。

さんざんだったけど、
その台風が過ぎて天気が回復した状態で、
発電機のテストをしたらちゃんと動いたよ。

さすが日本製の発電機だ、
等と心の中思ったけど、
救急車といい、発電機といい、
さんざんひやひやさせられた。

でもこういう体験が意外と楽しい思い出として
残るのはどうしてなんだろうね。

楽しい、楽しいと思いながら、
気がつけば結局最後は60ヵ国以上で仕事してしまった。
仕事したというよりも、
世界中を楽しく充実した旅をしてきたような気持ちだよ。

以上

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