パリ生活ゴ(15) 仏テリトリーには要注意
「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)
が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。
また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。
scène 15. 仏テリトリーには要注意
<シーン 15 >
家族4人でソウル駐在のダビッド家に泊まった。2日間は楽しく過ごしたが、ウチのダーリンが仕事で東京へと去った後、状況は一変。
食卓。ダビッドは、まず自分の娘に取り分ける。笑顔で「たんとおあがり」。ウチの息子には皿を投げるように「食え」。食後、奥さんの誕生日ケーキをカットする瞬間。息子は子供部屋で遊んでいたのだが、呼んでやるそぶりはなし。
子供同士のオモチャの取り合い。ダビッドは決まって一言。「これはウチのモノ。貸すか貸さぬかはこちらが決めるのだ。」フラストレ-ションがたまりきった息子は珍しく泣き出す。おまけに彼はソファでお漏らしをしてしまった。精神的にかなり参っているなあ、と息子の気持ちを案じる私の目の前で、「赤ちゃん、オムツはいりまちゅか?」と息子をからかうダビッド。
やりたい放題のダビッドの頭には「自分の家=自分のテリトリー=自分がシェフ」という構図があるのだ。だから「わが家=他人のテリトリー=自分はシェフではない」に来た時はやたらおとなしかったのだ。
あちらのテリトリーに乗り込む時は、少なくとも楯(フランス人のパートナー)が必要不可欠と痛感。
<使えるパリ生活ゴ 15 >
今回は俗語に限らず頻繁に使われる表現を紹介。
A : Quoi ? Aller squatter chez David de nouveau est ①hors de question, parce qu'il est arrogant et vulgaire.
何?またダビッドのところに居候なんて絶対イヤ。彼、横柄で下品だから。
B : Pourquoi ?
どうして?
A : La dernière fois, il nous a ②traités comme des chiens après que tu es parti.
前回、あなたが居なくなった後、ひどく扱われたのよ。
Il est resté poli et ③humain avec toi parce que tu es un mec français.
あなたには、礼儀も思いやりもあるけど、それはアナタが男で、しかもフランス人だから。
Disons qu'entre mecs il y a de la solidarité et du ④respect.
男同士には連帯感も敬意の念もあるからね。
Mais avec moi, il n'y a aucun respect.
でも私には敬意なんてゼロ。
B : D'accord, d'accord.
分かった、分かった。
〜解説 15 〜
① hors de questionは論外。
<類義語>Il n'est pas question de 動詞で、~することは論外。省略形Pas question! はとんでもないの意。どれも、にべもなくはねつける時の表現。
② traiter comme des chiensは(犬のように)ひどく扱う。
comme un chienはひどく、みじめな。(例) vivre comme un chienは惨めに暮らす。mourir comme un chienはのたれ死ぬ。
<関連語>~de chienはひどい~と形容詞的に使 う。(例) métier de chienはイヤな仕事。
③ humainは(人間的な)思いやりがある。
C'est humainとなると人間なら無理も無い(人間がゆえの弱さゆえ)。
④ respectは尊敬、敬意。Un peu de respect pour~で、~を少しは尊重しろ。ないがしろにされている不満が含意されている。
❤️では scène 16 でお会いしましょ❤️
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