パリ生活ゴ(2) ♂ カノン(女)バニョル(車)フット(サッカー)
「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆)
が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。
また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。
scène 2. ♂ カノン(女)バニョル(車)フット(サッカー)
<シーン 2 >
ニコラとザビエはチャキチャキのパリジャン。コンサルタントと銀行マンの2人、外での言動は完璧な紳士だがプライベートでお酒が入ると、とたんにフツーの庶民フランス男に戻る。
10人でワイン10本を開けたわが家のホームパーティーにて。午前1時、2人は台所の隅でタバコを吸っている。
「アジアの女はええな。家事は全部やりよるから男は楽や」。私を見ながら2人はニタニタ。
典型的マッチョ(男尊女卑的)発言に怒り、目を充血させている私のことなぞ完璧に無視だ。「今度お前の (ヴォルクス)ワーゲン貸してくれへんか? こないだひっかけたすっごい美人とデートや」。「ええけどお前の年代モノのルノーはどないしてん?」
ニコラがトイレに立ち、話がいったん中断した後ザビエが一言。「あさって、フランス対ベルギー戦やな」。「ビ-ル持って行くわ」。勿論、 サッカーの話である。
「男性をターゲットとした広告には女、車、スポーツ(特にサッカー)を入れるとハズレない」。 広告コンサルタントの友人が言ってたなあ。
<使えるパリ生活ゴ 2 >
A : J'ai dragué un ①canon hier.
昨日すごい美人引っかけたんだ。
B : Où ça ?
どこで?
A : Au match de ②foot.
サッカー観戦で。
B : Qu'est ce qu'elle fait ?
何してる子?
A : Elle est étudiante, mais elle a une superbe ③bagnole.
学生だけどスゴイいい車乗ってる。
〜解説〜
① canonはものすごい美人【belle fille】。
19世紀、ギリシャ彫刻や美学の分野で美の基礎となる比率の規範を意味した。
<同意語>nanaはもとは売春婦の妻、内縁の妻を表したが、現在では平俗語で女性【femme, fille】を意味する。
gonzesse は同性愛者の男性、ひ弱な男性を表す蔑視語としても使われるが、男性が女性を見下したり、 からかい半分で称する場合が多い。
pouletteは poule(めんどり)から派生。元来、pouleには 若い女性【jeune fille, femme】の愛称の意があったが、pouleが愛称語のpouletteとなり、17世紀頃から同じ意味を指すようになった。
! nanaは話者の性別に関係なく使われるが、gonzesse、pouletteは男性が男気を強調する時 に使うきらいがあるので女性話者は使わないほうが無難。
② footはサッカー【football】の短縮形。
短縮語は頻繁に使用され、insti先生【instituteur/utrice】、 restoレストラン【restaurant】、petit déj朝食 【petit déjeuner】、perso個人的な【personnel】、 sécu社会保障【sécurité sociale】など数多し。
③ bagnoleは車【voiture】。
もとはノルマンデイ地方などの方言で質の良くない車を意味する。
現在では一般的に車を指す。
<同意語>caisseは積み込むもの、運ぶものの意味から派生し、運搬するもの=車の意味に派生。
! 積み込むものの意味で転化したのはスーパーのレジ(お金を積み込むもの)。
❤️では scène 3 でお会いしましょ❤️