パリ生活ゴ(12) 教習所にて
「パリ生活ゴ」では、語学テキストにはあまり登場しない
パリの日常生活シーンと、パリジャンがフツーに話している『パリ生活ゴ』を紹介。(2002年〜2016年にフランスニュースダイジェスト誌面、サイトに掲載されたGDR執筆コラムに修正、加筆したものです)
が、ご注意を!!!
こなれた俗語が満載。
なので外国人の私たちが使うのはオススメしません。
失礼になったり、誤解されたりするリスク大です。
なので、聞いた時に理解できてOKというスタンスで眺めて下さいね。
また、スキットはGRDが全て作成したので、文自体はフランス人の口から出てきたネイテイブフレンチではない箇所もあります。
が、全てネイテイブチェックをかけています。
これらの文は、外国人フレンチだが、意味はバッチリわかる、という内容ですのでその点、ご理解下さい。
scène 12. 教習所にて
<シーン 12 >
パリで自動車免許を取った。ハンドルを握る初日。「これがブレ-キ、アクセル、クラッチ。ほな行こか」と教官。彼に「?」の視線を向けるとアゴをしゃくって、はよ車ださんかいのジェスチャー。おお、おもむろに路上運転かえ。
見事な縦列駐車ラインに収まっているクリオ、前後車との間は5センチほどしかない。「はよせえ」とイラつく教官。焦るわたしゃ「ゴンッ」と前の車のバンパーにぶつかる。「アカン。ゆっくり密着してからググっと押すんや」。バンパーとはお飾りではなく、ショックを和らげる本来の機能で使うのだ、と認識を改める。
信号。赤から青になる直前に、後部車からクラクションを鳴らされる。「若葉や思てナメとるなぁ」と教官。青に変わる3秒ぐらい前からジリジリッと前に進み、青に変わる直前のタイミングでダッシュをかけるのが正しいパリ的運転。青になってからヨイショ、と発進するのは田舎モンかマミー(おばあちゃん)かゴンゼス(女性の蔑称)のすることで、そんな輩にはクラクションをお見舞いするのがパリの礼儀だと教官は伝授してくれた。
ここにもパリの不文律ル-ルあり。
<使えるパリ生活ゴ 12 >
Un téléphone portable sonne dans une voiture
車中で携帯電話が鳴る。
A : T'es où?
今どこ?
B : Je ①suis au volant.
運転中。
A : Quand as-tu passé ②le permis ?
いつ免許取ったの?
B : Il y a ③une quinzaine de jours.
2週間ほど前。
A : Ça alors, et ça va ?
それでどう?
B : Ça va sauf ④les créneaux. C'est pas facile, tu sais.
大丈夫、でも縦列駐車はちょっとね。やっかいなの、わかるだろ。
A : Ne t'inquiètes pas. ⑤Ça va venir.
心配するなって、できるようになるって。
B : J'espère.
そうだといいけど。
〜解説〜
今回は俗語ではないが会話で頻繁に使われる表現を紹介
① être au volant は運転中(=être en train de conduire)の意。
un volantは車のハンドル。 prendre le volantは運転する。
② le permisは許可証、免許の意。
passer le permis(de conduireが省略)は厳密には運転免 許の試験を受けるの意だが、一般に受けて受か るの意味で使われることが多い。
③ une quinzaine de+名詞複数形で、約15の~。
<関連語> une dizaine / vingtaine / trentaine / quarantaine / cinquantaine / soixantaine / centaine de(+名詞複数形)で約20 / 30 / 40 / 50 / 60 / 100の~。
④ faire un crèneauで縦列駐車する。
⑤ Ça va venirは(じきに)出来る。
❤️では scène 13 でお会いしましょ❤️