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西条市黒瀬天河寺界隈探訪

一色龍太郎氏の『石鎚山に抱かれて』の写真を見て以来気になっていた天河寺跡とその周辺をぶらりしてきました。
天河寺跡は黒瀬湖と瓶ヶ森のちょうど中間あたりの山深い場所にありそのむかし、瓶ケ森がまだ石鎚権現だった頃、常住として一般人から貴族まで多くの人が立ち寄り栄えたと言われています、波乱の時代が故に再三の火災にあい今は小さな御堂と廃屋、権現堂があるのみで麓の極楽寺の信者さんが広く手入れされている様です。
個人的な事を言えば特別な信仰心はないけど日本人なので八百万の神的思考は持っています。各地域の山岳信仰の歴史は興味深く頭の片隅にいつもあります(登山に奥行きを持たせる為に)。
役行者さんから極楽寺に引き継がれた信仰は1300年後の現在も脈々と受け継がれている事が今回歩いてみて分かった。
黒瀬湖柳瀬橋渡って破線の渓ルートを試みたけど薮いて無理だったのでもう少し車道をあがり行き止まり標の道から尾根沿いにトラバース(尾根は薮)しながら八大竜王社とお稲荷さんに着く。

火を灯させて頂いた

見下ろす眼下には千野々集落、峰入行の時は極楽寺から川越えして這い上がって来るのだろうか
ここから三つのピークを超えて高森、標高が1000mを越え次第に積雪、菖蒲峠側からの踏み跡(2、3日前の単独と予想)と共に気持ち良い雪景色を楽しむ。

高森から北に延びる狭い尾根道は木々が繁茂していてあまり歩かれていないようで登山意欲を上げます。適当な支尾根を天河寺跡迄下る予定でいたがよみを間違えて麓までおり過ぎてしまし時間切れ、そちらは後日に再訪する.....

無住?の坂中寺の裏手から尾根に沿って四電作業道の道で天河寺跡までいくが、天河寺から降ろしてきたと言われる(どんだけ大変だったか!)坂中寺の大きな二体の仁王像は一見の価値あり!

古寺に薄くお白い雪化粧

最近、俳人の薫まどか著「奇跡の四国遍路」 を読んで更に体と頭(五感)の繋がりの重要性を強く感じる。片側だけでは本来ではない、厳しい自然環境の中でただ1人、生きるも死ぬも自分次第という状況はリスクもあるが自由でもある、そんな中で全身の感覚が一歩一歩歩くごとに冴えわたっていく感覚は気持ちいい。
登山は瞑想に近いと言われるが今この瞬間に集中しないと危険である場合は全神経が総動員される、体全体が集中している時がそれに近いのだろうと思う。感覚を錆びさせたくない、故に単独行はやめられない。

程なくして切り拓かれた広場にある天河寺跡に着

小堂と墓標

雪で道がわからず周辺をうろうろして権現堂と廃屋も見つける。廃屋は最後の住職さんがすんでいたのだろうか。

漫画家つげ義春のようにこおいう廃屋に自分が住む想像をする時、武者震いの様な感覚になる。洋風に考えると「大草原の小さな家」的な明るさなんだけど、どちらが好きかと言われればどちらにも振り切れない自分。

雪山はいつもよりも静かになる

深雪の踏み音で満ちる龍王山

次は新緑の季節に再訪しようかな。


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