トイレにいきたくって
かっこわるい話、トイレでパンツが汚れてしまった。職場の定位置にもどったが、やはり汚れているパンツが気になりはき替えたくなった。が、そんな時に限って職場でいろんなことが起こる。同僚の男性が僕の引き出しをガチャガチャいじくり始めた。
「なにしてるん?」
「いや、僕のシャーペン知らないっすか?」
「いや、君のは知らないよ」
となりにいた同僚の女の子は自分の仕事のことで忙しくっていろんな人に話しかけてる。それも気になるが、僕はとにかくトイレに行ってパンツをはき替えたい。それらをほっぽらかして、トイレに行くが、どれも使用中だ。やっと空いたと思ったらまた違う同僚が現れて、
「僕もトイレに行きたいんです」
「あ、どうぞ」とゆずる。
浜辺にもトイレはあったが、そのトイレはなんと、下半分が丸見えだ。これではトイレで着替える意味がない。
音楽ホールでもトイレを探す。探していると高校の時の同級生がいっぱいいた。
「竹内くんや。なんしよん?久しぶりやな」
「そ、そやなちょっとまたあとで」
あとでLINEの交換でもしよう。しかしここでもトイレはいっぱいだ・・・
♪(スマホの目覚ましのメロディが鳴る)♪
目がさめるとトイレにいきたくてたまらなかった。
突然、ある歌の歌詞とメロディを思い出し、心の中で歌う。
青い手帳にはさんだ
真夏のふたりの写真
やさしい気持ちが風になるとき♪
これはなんの曲だったっけ?
スマホで検索してみると、懐かしい安全地帯の、
『夢のつづき』。
そのあと「夢のつづき」の歌詞をしらべひとしきり歌ったあとその歌詞とメロディの優しさに涙があふれでた。
夢のつづきを見たかったが、そのあとすぐトイレにいった。