SF機体列伝No.8「最強の剣を持つ爆撃機の系譜」R-9Bシリーズ
ライター:九条 一馬(ゲームデザイナー)
このコーナーでは、SFサイドビューシューティングゲーム『R-TYPE FINAL 2』『R-TYPE FINAL3 EVOLVED』に登場する主人公機体である次元戦闘機を一機ずつ紹介してまいります。(と言いつつ今回は3機まとめてのご紹介です)
過去分は↓こちらでご覧いただけます。
また、このゲームの舞台となる世界観につきましては、R機体列伝No.1をご覧いただけると幸いです。
最強の剣を持つ爆撃機の系譜
100機種を超える次元戦闘機の中で、R-9Bシリーズは”Rの系譜”ではわずか3機種しか記録されておらず、大きく発展したとは言い難い機体群である。しかしながら、その代替できない特徴やその成り立ちは強烈でR戦史でも特異な位置を占めている。
今回はそのR-9Bシリーズを構成する3機種を合わせて解説していく。
長距離巡航ユニット装備型 R-9B ストライダー
R-9Bストライダーは、次元戦闘機R-9Aアロー・ヘッドの作戦行動時間を延ばし、行動半径を広げることを目的に開発された機体である。
傑作機R-9Aに増槽を取り付けて航続距離を延ばすことが構想にあり、プロペラントタンクの試験用に開発された機体がこのR-9Bである。
タンクの開発を突き詰めるにつれ、次元戦闘機が持つ機動性と航続距離を延ばすための構造のバランスを取ることが困難となり、試験運用に数機を試作製造した段階で、本機の開発も運用も頓挫してしまった。R-9Bは火星の兵器工廠に放置されることとなった。
波動砲に迫る破壊力、最強ミサイル”バルムンク”
一時は運用が行き詰った長距離巡行タイプのR-9Bが再び脚光を浴びたのは、火星で地球連合軍、ひいては地球連合政府に対しての反乱が起き、火星都市グラン・ゼーラを拠点にしていた組織によってこの機体が接収・運用されたことがきっかけである。
革命軍を名乗る火星の反乱組織は、蜂起するやいなや火星にあった地球連合軍の兵器工廠を占拠した。その中に連合軍ではもはや使われなくなっていたR-9Bが数機あった。
革命軍は、この長距離を移動できる機体にとてつもなく大きなミサイルを搭載し、敵陣深くまで進入した後にミサイルを放って離脱させるという戦法を考え実行した。
革命軍がR-9Bに搭載したミサイルは、機体のウェポンベイに1発しか入らないほどの巨大なものであった。その巨大なミサイルは、波動砲に匹敵するほどの威力を持っていたのである。
こうして、R-9B(革命軍側の機体型名は”R-9B1”)は、”バルムンク”という最強のミサイルを手に入れ、ミサイル爆撃機として戦場の主役に躍り出たのだ。
アステロイドベルトでの地球連合軍主力艦隊とグランゼーラ革命軍の輸送艦を中心とした艦隊との戦いで、連合軍は革命軍側のR-9B部隊が放つミサイル”バルムンク”によって大きな損害を受けた。
革命軍では火星の兵器工廠を使いR-9B1とバルムンクを大量に生産し、さらにその後継機であるR-9B2ステイヤーを開発した。
大気圏内行動半径拡大型 R-9B2 ステイヤー
火星の工廠で量産されていた長距離巡行型機体R-9Bをベースに、反乱軍が強化型として開発したのがこのR-9B2である。
元々R-9シリーズは対バイド用の兵器であり、大気圏外での戦闘を想定して開発されていた。しかし、この機体は革命軍が地球連合軍との大気圏内での戦闘を考慮して設計した機体であり、大気圏内での航続距離を延ばすためにR戦闘機にはめずらしく揚力を発生させる翼を備えており、機体がさらに大型化してしている。
”バルムンク”についてもR-9B1に搭載されていた試作タイプから、より強力な実戦配備タイプのものにアップグレードしていった。
動乱が収まり、R-9Bとバルムンクは地球連合軍の手に
ミサイル爆撃機として大きな戦果を上げたR-9B1(地球連合軍側では”R-9B”)とR-9B2は、動乱が収まった後、地球連合軍によって運用されることとなった。
通常のR戦闘機が、フォースによる多彩な攻撃、波動砲による高火力、補助武器としてのミサイルというバランスで運用されているのに対して、連合軍で使われるようになったR-9Bシリーズは、ミサイルでの高火力を生かし、フォースは機体を守ることに主眼を置いたものを使い、波動砲ですら機体防御用のものと、独特のバランスを持つものとなった。
地球連合軍に組み込まれても、この機体は一部の戦闘機乗りに愛された。
中距離巡航ユニット装備武装強化型 R-9B3 スレイプニル
R-9B3は反乱軍による内乱が鎮圧された後に、反乱軍によって製造・運用されていたR-9BとR-9B2を参考に、火星の兵器工廠を接収した地球連合軍が、反乱軍の設備を使って生産した機体である。
大気圏での戦闘を想定して作られたR-9B2とは異なり、母艦での搬送を前提とした太陽系外での戦闘を考慮してR-9B2ほどの巡航距離は不要であると判断した連合軍は、タンクの容量を減らしスラスターを増やす対応を施している。
兵装としては、バルムンクの実戦配備型とディフェンシヴフォースの強化タイプを備えている。
未知の凶悪生命体バイドの太陽系への流入が小康状態になったわずかな期間に起こった太陽系を舞台として行った内戦が治まると、次元戦闘機開発は再びフォースと波動砲を搭載したものを主流として発展していった。
傍流となったR-9Bストライダーを祖とするBシリーズはわずか3機種のみでその役割を終え、その後新しい機体が作られることはなかった。しかしながら、短期間とは言え戦場の主役となったこの大型の機体群は、間違いなく戦史の1ページを構成しており、Bシリーズの活躍を知る者の心の中にはその強烈な印象が今も残っているに違いない。
長距離巡行型爆撃機R-9Bシリーズ Data
長距離巡航ユニット装備型 R-9B ストライダー
・フォース:ディフェンシヴ・フォース
- 赤:ツインレーザー
- 青:着弾分散レーザー
- 黄:ディフェンスレーザー
・波動砲:バリア波動砲
・搭載可能ミサイル:バルムンク試作型 / 爆雷 / 対地ミサイル / 誘爆ミサイル
・装備可能ビット:シールドビット / ラウンドビット
・スペシャルウェポン:エクリプスメモリー
大気圏内行動半径拡大型 R-9B2 ステイヤー
・フォース:ディフェンシヴ・フォース
- 赤:ツインレーザー
- 青:着弾分散レーザー
- 黄:ディフェンスレーザー
・波動砲:バリア波動砲 II
・搭載可能ミサイル:バルムンク実戦配備型 / 爆雷 / 対地ミサイル / 誘爆ミサイル
・装備可能ビット:シールドビット / ラウンドビット / シャドウビット
・スペシャルウェポン:エクリプスメモリー
中距離巡航ユニット装備武装強化型 R-9B3 スレイプニル
・フォース:ディフェンシヴ・フォース改
- 赤:ツインレーザーW
- 青:着弾再分散レーザー
- 黄:ディフェンスレーザーW
・波動砲:バリア波動砲 II
・搭載可能ミサイル:バルムンク実戦配備型 / 爆雷 / 対地ミサイル / 誘爆ミサイル
・装備可能ビット:シールドビット / ラウンドビット / シャドウビット
・スペシャルウェポン:エクリプスメモリー
攻略情報
このシリーズは、相当にクセがあるので R-TYPE を普段と違うプレイの仕方で遊びたい時にお薦めです。他の機体と同じタイミングで波動砲を放つと「あれ?」となってしまうので注意が必要です。
また、R-99ラスト・ダンサーなどの究極互換機を手に入れたなら、R-9Bシリーズの強力ミサイル”バルムンク”をぜひ搭載してみてください。慣れるまでは何が起きているのかわからないぐらいの大暴れ感を楽しむことができます。
R機体列伝について
この機体列伝は、ゲームソフト『R-TYPE FINAL 2』『R-TYPE FINAL 3 EVOLVED』のマニュアル「機体列伝」に掲載されている各機体に関する解説に一部加筆・修正を施したものです。
今後も、様々な登場機体をご紹介していきます。
R-TYPE FINAL 2 情報(PS4, NS, XBoxOne/X, PC用)
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