国立音楽大学大学院オペラ対面授業開始
新型コロナの影響で、母校の国立音楽大学は新年度開始よりオンラインでの授業をしてきましたが、ここ最近、やっと対面でのレッスン等が開始されてきました。
私は10月17日&18日の大学院オペラ《皇帝ティートの慈悲》(モーツァルト作曲)ティート役に出演のため(17日出演)、新年度よりオペラ科2年生の授業に関わっているのですが、4月から先週までzoomを使ったオンラインでの稽古をしてまいりました。
zoomは会議などでは大変有効ではありますが、リモートでの演奏を主眼に作られたアプリケーションではないため、時差、雑音、音の途切れ等等、大変過酷な稽古を学生はもちろん、指導する先生方も大変苦労なさってこの3ヶ月近くやってまいりました。
特にオペラでは、アリアなどの独唱だけではなく、重唱などのアンサンブルの部分も多いのですが、zoomには時差があるためアリアも重唱も、ピアノの伴奏や他の歌い手、そして指揮者と、全てがどうしてもズレてしまいます。
そのため、そのような場面は殆どzoomではできず、オンライン稽古の90%は通奏低音を伴う簡素な伴奏の上に、演技と語り調の旋律が主体となるレチタティーヴォという部分を徹底的にやりました。
これもやはり時差があるために、間合いなどのタイミングは全く出来ないのですが、イタリア語のディクションに始まり、細かい解釈や表現、作品の背景、発声のことなど、学生も助演も先生も分け隔てなく膝をつきあわせて思い思いにディスカッションも出来ましたし、災い転じて福と成すではありませんが、ピンチをチャンスにできたそんな3ヶ月だったと思います。
学生の皆さんと先生方に、大変感謝申し上げます。
そして、今日からついにzoomともお別れし、学校で授業が再開されました。
みんな顔が輝いていたな。
やはり、生が一番!そして稽古場は一番居心地が良い場所です。
稽古場には飛沫防止のパーテーション、またそれぞれがフェイスシールド着用での稽古でして、決して普通の状態での稽古ではありませんが、やっと歯車が回ったと思える一日でした。
まずは今月末の前期試演会、そして10月の本公演まで、全員一丸で頑張ります。
10月の本公演は、是非応援にお越し下さい。
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