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東京・春・音楽祭「にほんのうたX」終演しました

本日、東京文化会館小ホールにて、東京・春・音楽祭「にほんのうたX」(東京オペラシンガーズ)が、無事終演致しました。
このようなご時世ではございましたが、沢山のお客様にお越し頂きました。
どうもありがとうございました。

2011年に始まったこのシリーズは、昨年2020年に10回目を迎えるはずでしたが、このような事態となり中止となりまして、今年、ついに去年演奏するはずであった曲をほぼ全て演奏することができました。

また今年は、一曲を除いて、寺嶋陸也さんの編曲によるプログラムとなりましたが、その寺嶋さんによる伴奏と指揮での公演(弾き振り)という、10年で初めての試みでした。

素晴らしい寺嶋さんの伴奏、要所を的確に紡ぎ出す指揮、それに今回は我々東京オペラシンガーズのアンサンブル力を最大限に試される機会となり、大変刺激的なステージとなりました。

結果としては、我々も会場のお客様も、一体となった素晴らしい演奏会となったと思います。

この一年間、殆どの演奏が潰れ、演奏家としては受難の年となり、この状況も暫く続くと思われますが、やはり、ステージの上で音楽に包まれること、お客様の拍手、これがあるから辞められないからこの仕事を続けているのかも知れません。

私は自粛期間中からつい最近まで、生でのコンサートが出来なかったものですから、オンラインで無観客でのコンサートを行ってきました。
それはそれで、得ることも多かった貴重な経験ではありましたが、目の前にお客様がいて、拍手をもらえて、今まで普通だと思っていた光景が、実はどれだけ貴いものだったのか、ということを、最近、身に染みて分かってきているところです。

やはり生演奏にオンライン演奏は勝てません。
でも、その生の持つ音、音楽の力の偉大さに本当の意味で気づかせてくれたのは、オンラインのおかげだと思います。
決して我々演奏家にとっても、聴衆の方々にとっても、オンラインでの演奏は居心地の良いものではなかったと思います。
しかし、それがあったからこそ、生の音楽の持つ温かみ、幸福感、力強さを、鮮烈に感じられた方も多いのではないでしょうか。
今日のコンサートの全プログラムが終わった後の鳴り止まない拍手は、手前味噌ながら、そういった、音楽の持つ何かを何かしら感じとって頂けたからではないかと思っております。

とは言え、また状況次第では、オンラインに逆戻りするかも知れません。
どうなるかは分かりませんが、音楽家として音楽の持つ力を信じ、その時その時のベストを尽くしたいと思います。

最後に、改めまして、本日お越し頂きました全てのお客様に御礼申し上げます。

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