東京二期会《フィガロの結婚》降板に関して
渡邉公威の関係するFacebook、Twitter、note等のSNSでも告知しておりましたが、9日〜13日まで東京文化会館大ホールで開催されました東京二期会《フィガロの結婚》公演を降板致しました。
理由は新型コロナ感染症に感染のためです。
楽しみにご来場頂きました沢山のお客様には、楽しい雰囲気に水をさすようなことで、大変申し訳ございませんでした。
また出演者、スタッフの皆様はじめ、二期会制作サイドの皆々様には、大変なご迷惑とご心配をおかけし、大変申し訳ございませんでした。
現在、体調は落ち着いておりますが、今暫く療養生活は続きそうです。
今回の《フィガロの結婚》公演は、当初予定されておりましたリヒャルト・シュトラウス作曲《影のない女》公演が、新型コロナ・オミクロン株の流行による外国人スタッフの入国不可により中止となったことを受け、急遽、代替公演として企画された公演でした。
私は《影のない女》には関わっておりませんでしたが、12月の中頃に同公演の中止のご連絡と代替公演《フィガロの結婚》ドン・クルツィオ役の出演のオファーを頂いてから、この公演は、いつもの公演とは違って、《影のない女》に出演するはずであった方々の無念や想いを背負っているのだと、またその沢山の想いを舞台で昇華させなくてはならないのだと心に言い聞かせ稽古に当たっていました。
私だけでなく、《フィガロ》に関係していた殆どの方はそのように思っていたであろうと思います。
ですので、降板となった時は、《影のない女》の方々にも大変申し訳ない気持ちとなりました。
昨日無事千穐楽を迎え、大成功のうちに公演を終えました。
気がかりだったことの一つに、公演関係者にうつしていなかっただろうかということがありましたが、毎回の検査で常に全員陰性とのご報告を頂き、胸を撫で下ろしてました。
これだけが不幸中の幸いでした。
感染のルートですが、不明です。
かなり気をつけて生活しておりましたので、一体いつどこで感染したのか、はっきりとは思い当たりません。
可能性としては、混み合った電車や地下鉄を頻繁に利用しておりましたので、そこで何かの拍子にもらったのかも知れません。
一番可能性があるのは、吊り革です。
ある日の稽古帰り、地下鉄の中で吊り革に捕まりながら立っていたのですが、その頃、目に物もらいが出来ては治ってを繰り返しておりまして、ふと瞼にチクッという痛みを感じました。
あ、また物もらい?と思い、咄嗟に吊り革を掴んでいた右手で瞼のあたりを触ってしまいました。
その時、揺れもあったと思いますが、指が瞼の粘膜を強めに擦るような形になり、痛みを感じたのですが、もし吊り革にウィルスが付着していれば、可能性はあります。
発症した日から逆算しても合致しますので、あり得ると思います。
これは憶測でしかありませんが、どこにウィルスが付着しているか分かりませんので、物を触る時は注意が必要です。
吊り革を使う時は、必ず除菌タオルなどで拭いてから使用することをおススメします。
コロナは正しく恐れ、正しく恐れない、と思って生活してきましたし、これからもその考えは変わりませんが、まさか自分が感染するとは思ってもいませんでした。
PCR検査で【陽性】の二文字を見た時は、思考回路が完全に止まりました。
PCR検査は仕事柄、数えきれないくらいやりましたが、いつも結果を見るのは怖いです。
怖いですが、こんだけ気をつけて生活してるんだから俺は陽性なはずはない、とも思っていました。
でも、感染する時は感染するのです。
幸いにして軽症ですみましたが、どうなるか分からない側面もあります。
どうぞ皆様も、用心に越したことは無いです。
くれぐれもお気をつけてお過ごし下さい。
元気な渡邉公威を、コンサートやオペラで再び見て頂けますよう、益々精進していきたいと思います。
また、今回中止となりました《影のない女》公演もいつの日か開催の運びとなりますよう、お祈りしております。
今後とも変わらぬご声援を賜りますよう、お願い申し上げます。