具現化
水道が止まり、ポケットWi-Fiを人から借りて生活するような状況の中、
私はついに「電気グルーヴ」のチケットを手にする。
↑前回の続きです。
私のパワースポットであるバイト先の帰り道、
ネットバンキングの口座を確認すると、なんと数万円が入金されている。
この入金こそが、前々回の記事「本」で少し触れた、
フリーランスの絵描きとして今年初めての仕事の報酬だった。
仕事自体は1日で完了し、完了から24時間以内に入金をしてくれたようだった。
奇跡のようなタイミングで、久々に自分の口座に5桁の数字が表示されている。
私はすぐさま滞納していたWi-Fi代などを支払い、スッキリした。
そして、満を持して電気グルーヴのチケットを取ったのだ。
翌朝、コンビニへLiveチケットを受け取りに行った。
具現化という意味では、
今時紙チケットなのもいい。
(なぜか私が取った時には紙しか選べなかった)
全て自然の流れに身を任せた結果、あたりまえかのように、
奇跡が連なり、重なり、私の夢が実現した。
この出来事をXに書き込むのであれば、「行きたかった電気グルーヴのチケットが取れた!」という一言になるだろうが、
その言葉の裏側ではこれだけのドラマがあるのである。
私はちくいち、自分の身に起こる事を奇跡だ!奇跡だ!と騒ぎ立てる節がある。
他人から見たら、ただの大袈裟な奴なのかもしれない。
偉人のエッセイには、
そういう奇跡のような事が、サラっと記されている。
まるで、当たり前の事のように。
私はそれにグっとくる。
とくに「奇跡」だとか書かれていないが、
その奇跡に気づく瞬間を感動と呼ぶのだろう。
私もそうなりたいと心から思う。
騒ぎ立てる事なく、噛み締め、そして漏れ出るような、奇跡たち。
多分、そうなっていく。
2024.10.11