【電験解説】第一種  平成22年度 二次試験電力・管理  問1

公式の模範解答を丸暗記できればそれが良いかと思いますが、わからない部分があると覚えることが難しいと思います。そこでできる範囲で補足しています。


同期発電機の自己励磁現象について,次の問に答えよ。
(1) 自己励磁現象はどのような場合に発生する現象か,説明せよ。
発電機

無励磁の磁極に残留磁束が残っている状態で、容量性の負荷が接続されているときに、回転子を回転させると発生する現象。


(2) 自己励磁現象によって発生する発電機端子電圧について,発電機の無負荷飽和曲線を用いて説明せよ。
鉄心に残った残留磁束による端子電圧の上昇および容量性の負荷により電機子に電流が発生し、以下図の直線と曲線が交わる点まで発電機端子電力が上昇する。


段階を分けて説明すると以下のとおり。
1.残留磁束により、電機子電流が流れる
2.容量性負荷の場合、電機子電流の位相が界磁電流の位相に近づき増磁作用が働く
3.増磁作用により、磁束が強まり、端子電圧が高まる
4.3により電機子電流が大きくなり、さらに3の作用が強まるという現象が、磁極が飽和するまで続く

(3) 系統側の条件が同じ場合に,大容量の水力発電機,小容量の水力発電機,大容量の火力発電機,小容量の火力発電機のうちどれが最も自己励磁現象を起こしにくいか,その理由を付して答えよ。
→大容量の水力発電所。理由は短絡比が大きいほど自己励磁現象が起こりにくいため。
また自己励磁現象を起こさない限界の電力容量は同期リアクタンスに反比例するともいえる。同期リアクタンスは容量が大きいほど小さくなるため大容量の発電機のほうが自己励磁現象を起こしにくい。

(4) 上記(3)に示した発電機の選択以外に,自己励磁現象を防止するための対策を二つ挙げよ。
適切な容量の並列リアクトルを接続する。
周波数を下げる。

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