結婚式で『Eyes on Me』を流した夫婦から生まれた子供が今更FF8をクリアしたので感想を書く
はじめに
今回この記事を書くにあたって自分では回収しきれなかった情報(サブイベント、アルティマニアにある記述など)を補完するために以下のサイト、動画を参考にさせていただきました。
本文
FF8、面白かったです。の一言で感想を終わらしたって良かったのですがこのゲーム、タイトルにある通り私自身と少し関係が深いゲームなので少し文章に起こしてみようと思います。(あわよくばメインでやってる配信の視聴者が増えてくれればいいしね)
FF8と"私"
さて、早速本文へと入りたいところですが少し自分語りを挟ませてください。先述したようにFF8と私の間には少しの因縁みたいなものがありました。それがタイトルにもある通り私の両親がFF8の劇中歌でもある『Eyes on Me』を結婚式で用いたという点です。
この一点だけです。両親が熱心なFFファンだったという訳でもなければFF8が大好きだったという訳でもないです。何なら私が生まれたとき、実家にあったのはFF8ではなくPS2とFF10でした。(FF10はFF10で私がRPGを好きになったきっかけであり、色々と思い出深いゲームなのですが。)
という訳でぶっちゃけどうして『Eyes on Me』を結婚式で用いたのかはわかりません。このゲームをプレイ中に母に尋ねてもいまいち覚えてないとのことでした。(父はそもそもこの曲をBGMに使ったことすら忘れていた)ただ私自身としては母から結婚式でFFの音楽を使ったと聞いた時からずっとこのFF8をプレイしたいなと思っており、今夏、意を決してついにプレイしたという訳であります。
感想①ストーリーについて
大したことのない自分語りも終わったところで本題の方に入ります。ただ感想文なんてまず書くのが久しぶりなんでいくつか箇条に分けて書かせてください。
で、まずはストーリーについて。大分大雑把なくくりですがこのFF8の物語について書かないと何事も始まらないなと思ったので書きます。もちろんですがネタバレを多分に含みますので未プレイの方は気を付けてください。
私は読んだ本やクリアしたゲーム、果てには聞き終わったアルバムなどの評価をインターネットで調べる悪癖があるのですがこのFF8という作品
めっちゃ評価割れてますね……
いやまぁ分かる。正直説明不足だなと感じた部分は少なくないしクリアしても結局あれって何だったんだ?ってなった要素も少なからずあって、ネットで色々調べて納得したこともあった。(エンディングでのスコールのG.F.による記憶障害の表現とかね)
ただそういったFF8の世界を隅々まで見ないとわからない要素抜きにしてもこのFF8というストーリーの完成度はすさまじいものだと感じました。
FF8のシナリオの要素を簡単に抽出すると【学園ジュブナイル×SF×ループ構造】だと思うのですがこれをうまいことファイナルファンタジーというコンテンツと融合させた点は当時とちょうど二倍の数のFFナンバリング作品が出ている令和の世でも斬新で素晴らしいなと感じました。一方その反面として従来のFFのようなファンタジーものを望んでいた人たちからの低評価を生んでしまったのかなと思ったり。
ただ先ほど挙げた三要素、小説や漫画なんかでも描かれがちですが個人的にはすべて両立させるのは難しいと感じてます。ジュブナイル物はそれぞれのキャラの描写をしっかりしなければ埋もれてしまうキャラが生まれてしまうし、ループ構造もストーリーの展開を少し間違えれば矛盾が生まれてしまう。これを綺麗に描き切ったところがFF8の大きな魅力の一つなのではないかなと思います。また各所に張り巡らせた伏線も放りっぱなしにすることは無く回収しきっており、特にエンディングで過去のイデアとスコールが出会うシーンで明かされるSeeDやガーデン創設のきっかけ、ひいてはどうしてスコールがシド学園長によってガーデンの代表に選ばれ先頭で指揮を執ることになったのか分かった時にはスッキリするだけでなくとても感動しました。
感想②主人公スコール
次に主人公であるスコールについて。一言で言うと
お前めっちゃ成長したなぁ……
いやほんとにこの一言に尽きますね。スコール君がちゃんと自分の事を話すようになっておじちゃん、うれちぃ
さて、真面目にスコールについて話すと正直このスコールというキャラ、だいぶ感情移入してしまいました。
元々事前知識としてスコールがインターネット上で陰キャだとかコミュ障だとかいう評価を下されているのは知っていたのですがせいぜいクールキャラが高じてそういった評価を下されているものだと思っていました。まさかほんとにコミュ障だったとは……
しかしそのコミュ障の原因は人と深く関わってしまうと別れるのが苦しくなるから、ならば初めから人との間に壁を作ってしまおうといった私たちにもあり得るような要因。もちろんスコールのものはエルオーネとの別れがトラウマで一概に現実世界の悩みと同じだとは言い切れませんが私はこのスコールの内面の普遍性にまず惹かれました。
加えて内面が実は熱い男というのもグッドポイント。特にガルバディアガーデン突入前の演説はめちゃくちゃしびれました。
このシーン、スコールが熱い男である事やガーデンの仲間や年少組を気遣う優しさなどからスコールの本来の性格が露わになっていて本作の中でもだいぶ好きなシーンなんですよね。この後のガルバディアの飛行兵器に乗ってリノアを救出するところもグッド。
しかしこういう「クールキャラが実は熱血漢でした!」というギャップだけで終わらせないのがFF8。先述した自分が傷つくくらいなら初めから他者との間に壁を作ってしまうという点に象徴されるような繊細ともいえる性格もスコール本来のものであり、この点も余すところなく描写されています。
このようなスコールというキャラの内面の複雑さ、リアリティはFF8の魅力の一つであると同時に、これをごちゃごちゃにすることなく描いたという点もFF8のシナリオクオリティの高さを表すものであるといえるのではないでしょうか。
感想③パーティメンバーが良い奴すぎる
このnoteを書くに当たって絶対に触れておきたいなと思ったのがパーティメンバーについてです。
今作のパーティメンバー、皆仲良すぎませんか??
今作のパーティメンバーはスコール含めて六人(サイファーをはじめとしたイベント加入キャラを除く)また六人は全員十七、八の青年であり年長者キャラが居ないんですよね。だからこそかはわかりませんがみんなほんとに仲がいい。
作中中盤にアーヴァインの口から明かされる事実としてリノア以外のパーティメンバー五人は過去同じ孤児院に居たというのがありますが、それを抜きにしたって仲がいい。この仲の良さの何がいいかってストーリーを進めていて楽しいんですよね。
感想②の点で再三記述したように主人公であるスコールは人との関わりを極力シャットアウトしているのでクールにふるまう事が多く、言ってしまえば目に見える感情描写に乏しいんですよね。()がついた文章で内面描写だけされることがほとんどです。もちろんこのスコールが自分の意思で動くようになるまでの物語がFF8の主題の一つでもありますので感情表現に乏しいのは必然ではあるのですが。
しかし、スコール中心に物語を進めていると少し心が鬱々とした気持ちになるのも事実です。そんな中でパーティメンバーたちがワイワイと楽しいことをやってくれるのはスコールにとっても、そしてプレイヤーにとっても清涼剤となるわけです。
また仲間たちもみんなそれぞれ悩みや葛藤を抱えてはいるもののみんな素直でいい子たちなんですよ。もちろん作中においてもこの素直さはいい方向に現れていて主人公であるスコールはこの五人の素直さに段々と心を許していくのですが。
中でも私が一番心を惹かれたのはメンバー内で唯一過去の記憶を持っていたアーヴァイン・キニアス君です
彼、はじめ出てきたときは「あーはいはいよく居るスケコマシキャラね」と思ったのですがストーリーを進めるごとに段々と味が出てきて最終的にはメンバー内最推しキャラになってました。
そんな彼の魅力を説明するとひたすらに優しいんですよね、彼。
先ほどパーティメンバーはみんな素直で良い子と書きましたが中でもこのアーヴァインはひと際良い奴だなと感じました。
まず彼の優しさが現れたポイントとして先ほど提示した学園祭ステージの企画立案というのが挙げられます。
これ、文化祭自体はもともとセルフィの夢であり、セルフィ自身も学園祭実現に向けて頑張っていたのですが作中で起こる学園内の騒動によりステージが壊れてしまいセルフィも諦めてしまうんですよね。
しかしそこでアーヴァインがセルフィの為に一肌脱ぎ、F.Hの人々にステージの修理を頼む……
お前マジで良い奴やな……
ここで私のアーヴァイン株はストップ高を迎えました。またその後も色々とかっこいいところや優しいところを見せてくれており、アーヴァインが映る度に完全にファンボになってました。
と、今回はアーヴァインだけに注目して書きましたが他のパーティメンバーも負けず劣らずいいキャラばかりです。
さいごに
まずここまで読んでいただきありがとうございました。タイトルに『Eyes on Me』を入れておきながらも全く触れていないなどちょっと感想文としては至らない点も多かったとは思いますが楽しんでいただけたら幸いです。
最後にまとめとしてですがFF8、当時の価値観や今のように情報を得る環境が整っていなかったがために人によって評価が割れる結果となってしまったのかなと感じます。
ですがスコールやリノアの性格も現在なら受け入れられることも多いと思うし、(実際私はリノアの性格などは全く鼻につかなかった。単にリノアを受け入れることのできる派閥の人間だったのかもしれないが。)何より、綺麗な映像や世界観、それに本編に容量不足で入れることのできなかったイベントとかも絶対あるだろうからいつの日かリメイクしてほしい作品だなと感じました。