【短編小説】バニーガール(AKASAKI:「Bunny Girl」)
「俺たちの人生には決定的に足りないものがある。何かわかるか兄弟よ」
社内の食堂で昼食を摂っていると、同期の宮本が悩ましげな表情でそう切り出した。
「突然何だよ相棒。人生相談か?」
俺は優しく皮肉を込めて聞き返した。
「相談じゃないんだ。報告なんだ」
「報告?」
もしかして彼女にでも振られたのだろうか。それにしては落ち込んだ様子はないが。
「あぁ丸山。俺たちの人生ってのは平凡だが、それなりに楽しい毎日を過ごしている。そうだろう?」
勝手に俺まで平凡と決めつけられた事