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【マーケティング実践】クロスからのアップ、これがカギです(5分で読めます)


お読みいただきたいのはこんな方
・今のビジネスをもう一段上げたいと思っている経営者及びお勤めの方
・マーケティングの型を一つでも多く引き出しに入れたいと思っている方

既存ラインナップで一段売上をあげるなら、クロスセル

みなさん、スーパーに行った時に、こんな風景を見たことありますよね?
・牛肉売り場に、焼肉のタレが置かれていること
・豚肉売り場に、トンテキのタレが置かれていること
・葉物野菜の売り場に、ドレッシングが置かれていること
・キュウリの売り場に、ディップが置かれていること
こうお話しすると、回転の速いみなさんですと、もっともっとたくさんの映像が浮かんでくると思います。

こうした風景で、私が最近近くのイオンで面白いな、と思ったのは弁当コーナーにビールと酎ハイが置かれていたことです。これはきっとアルコールメーカーが、少しでも早く自分のところの商品に手を伸ばしてもらうために、やらせてもらっているのだな、と思いました。どのみちアルコールを買うかもしれない人に、ここにあるんだったら、後で忘れちゃうより、今のうちに手にしておこうか、と言う心理を生む可能性があります。上手い作戦ですよね。

今やこうした風景は気にしてみると、よくありますよね。そして、自身が売る側だとしたら、どういう組み合わせだったら、手に取ってもらえるか考えることもできます。こうしたお店でのレイアウトをマーケティング用語では「クロスマーチャンダイジング」と言い、この売り方を「クロスセル」と言います。

クロスセルは、スーパーだけではなく色々な領域で行われています。

例えばコーヒーショップなどは、クロスセルが基本になって、そのクロスする相手側が、ある種主役として、お店の個性になっていたりします。
・スタバのスコーン
・ドトールのミラノサンド
・コメダのシロノアール
・サンマルクのチョコクロ などなど

あとは最近自身で経験した、変わり種のクロスセルで言うと、車ディーラーで納車された時に鍵が渡されました。そして、その鍵にホルダーとか欲しいなと思ったら、担当の人に、ホルダーありますよと言われました。見たら、デザインも良く(それはそうですよね)手を伸ばしそうになりましたが、高くて妻に止められました。結局そこでは買うことができませんでした。その後ホームセンターで探して、それを今はキーホルダーにしています。

こうした事例を見ていただくと、こうした売り方は応用が効きますし、インスピレーションやイマジネーションを働かせれば、みなさんのお仕事にも活かせるのではないでしょうか?クロスセルが上手くできれば、今のラインナップでも場合によってはお互いの商品(サービス)がリフトアップされて売れ行きが上がるかもしれません。

これに関連してちょっと脱線。みなさんは、こんなお話を聞いたことがありますか?スーパーでは、おむつとビールが一緒に購入されやすい、と言うお話。ここまでの話から、こうした組み合わせはなかなか思いつきませんよね。

実はこれ30年ほど前にアメリカで行われたデータ解析によって判明したと言われています。先ほどまでの話は、商品関連性があるので頭の中で考えることができます。一方、こういう組み合わせはなかなか想像ができません。実はこの時も「バスケット解析」という、実際のお買い物客のカゴ(バスケット)一人一人のPOSを分析した結果わかったものでした。後付けとして理由は色々考えられました。有力と言われたのが、パパが車に乗ってお使いでオムツを買いに来た時についでにビールを買って帰ったというようなものです。こうした、事実からの逆算でクロスが発生するケースなどもありますが、こちらは少し科学的なアプローチが必要になってきます。参考までに、ここでお話しした内容を取り上げた記事がありましたので、下に貼っておきます。興味ある方はご覧ください。

さらにもう一段売上をあげたいなら、アップセル

クロスマーチャンダイジングが、関連性のある商品(サービス)を近づけて、消費者の購買意欲を瞬時に高めるものだとしたら、ここでお話をするアップセルは、「一定の買い物をした人が享受できるお買い得なオプション」を提示して、購買意欲を瞬時に高めるものと言えます。

わかりやすい例で言うと、マクドナルドに行って、セットメニュー(例えばハンバーガーと、フライドポテトと、コーラ)をオーダーしたお客様に、プラス50円で、コーラやポテトのサイズを大きくすることができると言うようなものを指します。

セットイメージ

この手法は囲い込み顧客のアフターサービスなどにも使えます。クレジットカードはこのサービスにおいては大変長けています。クレジットカードをお持ちの方であれば、ご経験があるかと思いますが、カードを持っている方限定のご優待というようなDMが来たことがよく来ます。これなどは、カードを持っている今のあなただけの特典ですよ、と言うアップセルを狙っています。

クレジットカードイメージ

さらに、この場合、クレジットカード会社は、優待自体を、他の企業から募って協賛料を取ったりすることもあります。他の企業からしたらクレジットカード利用という担保がある優良顧客にアプローチできるメリットがありますし、クレジットカード会社からすれば顧客のアフターサービス(リテンションと言ったりします)を他人のふんどしでとることができ、かつクレジットカード利用にも繋がり、Win-Winとなるわけです。

どこの業界でもできる仕組みではありませんが、アップセルを考える上では参考になるやり方ですね。

まとめ

マーケティングにおける古典的かつ普遍的な手法2つを今日は取り上げました。この2つを頭の片隅に置きながら周りを見渡してみると、世の中クロスセル(クロスマーチャンダイジング)やアップセルに溢れていることがわかります。見聞き&経験されるこの手法を、みなさんの頭の中のクロスセルやアップセルの引き出しにしまっておくと、ご自身の企画の時に役に立つこと間違いありません。この後行かれるお店や施設でこうした意識でぜひ周りをご覧になってみてください。

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