私の路線バス運転手時代のお話
ハンドルを握る人生:路線バス運転手の光と影
「バスの運転手さんって、毎日同じ景色を見て、飽きないのかな?」
そう思ったことはありませんか?
私はかつて、路線バスの運転手として働いていました。
多くの人々を目的地まで送り届ける、責任感と緊張感の強い仕事です。
毎日同じルートを走ることもありますが、季節の移り変わりを感じたり、街の風景の変化に気づいたり、飽きることはありませんでした。
むしろ、日々違うお客様との出会いがあり、様々なドラマを目の当たりにする、刺激的な仕事でした。
今回は、元バス運転手としての経験を踏まえ、この仕事の光と影、そしてリアルな待遇面についてお話します。
メリット
1.「ありがとう」の言葉
バスを降りる際のお客様からの「ありがとう」「お疲れ様です」という言葉は、何よりも嬉しいものでした。
安全に目的地までお届けできたという達成感と、自分の仕事が誰かの役に立っているという実感を得られます。
特に、高齢のお客様から「助かります」「あなたのおかげで病院に行ける」といった言葉をいただいたときは、この仕事の社会的な意義を強く感じ、胸が熱くなりました。
2. 安定した雇用
バス運転手は慢性的な人手不足です。そのため、一度資格を取得すれば、比較的安定して仕事に就くことができます。
将来への不安を感じることなく、長く働き続けられるというのは大きなメリットと言えるでしょう。
デメリット
1. 事故のリスク
バスは、多くの人命を預かっている乗り物です。そのため、常に安全運転を心がけなければなりません。
しかし、どんなに注意していても、事故のリスクはゼロではありません。万が一、事故を起こしてしまったら、取り返しのつかないことになります。
その責任の重さは、バス運転手にとって大きなプレッシャーとなります。
2. 理不尽なクレーム
お客様の中には、些細なことでクレームをつけてくる方もいます。
「バスが遅れた」「運転が荒い」「車内が暑い」など、様々なクレームを受けました。中には、全く身に覚えのないことで怒鳴られたり、罵倒されたりすることもありました。
そのようなクレームに冷静に対応するのは、精神的に大変なことです。
3. 過酷な労働条件
* 不規則な勤務時間: 早朝や深夜の勤務も多く、生活リズムが不規則になりがちです。
* 残業: 月に40時間前後の残業は当たり前でした。多い月には60時間を超えることも…
* 休日出勤: 月に4回は休日出勤がありました。家族との時間やプライベートの予定を犠牲にすることも多かったです。
* 短い休息時間: 次の日の開け時間まで9時間しかなく、睡眠時間が十分に取れないこともありました。疲労が蓄積しやすく、体調管理が難しい仕事です。
4. 給与面
拘束時間の長さや責任の重さに比べて、給与は決して高いとは言えません。
私の場合、月に260時間拘束で年収400万円前後、月給は30万円前後でした。
年間休日は一応116日ありますが、休日出勤が多いので、実際にはもっと少ないと感じていました。
休日出勤をしないと、月の総支給は22万円前後まで減ってしまいます。生活のために、休日出勤せざるを得ない状況でした。
バス運転手は、お客様の安全を第一に考え、責任感を持って仕事に取り組む必要があります。
「ありがとう」の言葉に励まされながらも、厳しい現実と向き合わなければならない仕事です。
しかし、多くの人々を支え、社会に貢献できるという大きなやりがいを感じられる仕事でもあります。
もしあなたが、バス運転手の仕事に興味を持っているなら、これらのメリットとデメリット、そしてリアルな待遇面をよく理解した上で、職業選択をしてください。
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