デザインソフトの文字詰め機能(欧文編)
デザインに携わる場合に、グラフィック以外にも重要な要素の一つにタイポグラフィーがあります。書体を選ぶこと以外にも、意外とたくさんのルールや調整方法があり、どれが良いのかわからなくなってしまうこともあるかもしれません。そんな迷いを少しでも解消出来たらとタイポグラフィについてマガジンでまとめています。
今回はそんなタイポグラフィにおける「文字詰め」について紹介したいと思います。文字詰めについては、ロゴ制作や、広告に使われる見出しをイメージしてもらえば、表現したいことによって詰めの緩急を変えてこだわりを意識しやすいかと思います。今回はそういった分かりやすい場所ではなく、意外とデザイナーにとっておろそかにされがちな「本文組」での文字詰めについて紹介したいと思います。
私の過去の経験で、本文組みを疎かにしてしまう理由としては
・ビジュアルやグラフィックに比べると優先順位を低くしているため後回し
・テキストは修正が入るので確定したら詰めればいいと思っていた(確定するのは入稿直前なので実際にはそんな時間は無い)
・設定が色々あってどれが正解か分からない
・誰も明確に教えてくれない
・そもそも本文がダミーの設定のままからからいじっていない
などなど、見返すと見苦しいほどの言い訳たちが並んでしまいました。でもだいたいこんなところが現実ではないでしょうか?
そこで、時間をかけずに美しい本文組みができるように、デザインソフトの欧文の文字組み設定についてまとめてみました。
自動文字詰め機能を活用
普及しているオープンタイプフォント(OTF)は、書体デザイナーが文字ひとつひとつに設定したカーニング情報があります。それを有効に使って文字詰めをすることが美しい文字組みをするのに必要不可欠です。
ただしカーニング情報を使った自動文字詰め機能は、イラレやインデザインにおいて正しい設定をしていないと効かない場合があります。メトリクスやオプティカルといった自動文字詰め機能の違いをよく分からずに使っているとせっかくのカーニング情報を有効に使えていないことも。。この設定を間違えることは英語圏でも少なからずあるようです。以下のやりとりが参考になったので引用させていただきます。
メトリクス・オプティカルの違い
・メトリクスはフォントのカーニング情報を使用して文字を詰める
・オプティカルはadobe独自のカーニング設定
(文字のカーニング情報は無視される)
フォントにカーニング(詰め)情報のない古いフォントデータにはオプティカルは使える場合がありますが、それ以外のオープンタイプフォントでは、メトリクスを使うことで、文字のカーニング情報を有効に使えます。
以下も参考になります。
欧文組版のための細かいアプリケーションごとの基本設定を以下にまとめてみたので、気になった方は設定を見直してみてはいかがでしょうか?基本設定を見直すだけでも組版の改善と作業時間の短縮につながるかもしれません。ちなみに見出し画像は、Adobe Textとという書体で、青字メトリクス、グレーをオプティカルの設定で配置してみました。どちらが良いかは長文を組んでみて比べてみると良いかもしれません。文字組はデザインに正解はないだけに、どういった背景かをその都度検証することがとても大切だと思います。
https://fonts.adobe.com/fonts/adobe-text#fonts-section
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